Sohn(ソン)来日直前、UK名門4ADから登場した新星を見逃すな!

2014年6月16日 13:37

Sohn(ソン)来日直前、UK名門4ADから登場した新星を見逃すな!

 6月21日及び6月22日の2日間に渡って東京・新木場スタジオコーストで開催される、インディー・ミュージックの祭典【Hostess Club Weekender】で、初来日公演を繰り広げる予定のSohn(ソン、出演日は初日の6月21日)。今年4月に、UKの名門インディー・レーベル4ADから『Tremors』でアルバム・デビューを果たしたソンは、本名クリストファー・テイラー。現在オーストリアに活動拠点を置く、ロンドンっ子のシンガー・ソングライターである。

 UKの音楽シーンでは、2000年代終盤からクラブ・シーン由来のダブステップをベースに、新しいスタイルの歌モノ作品を生み出すアーティストが立て続けに登場して話題を集めてきた。著名なところでは、2人組のユニットであるダークスターや、ジェイムス・ブレイク、そして嗄れ声のヴォーカルがインパクト大なキング・クルエルらといった名前が挙げられる。これは、特定の仕掛人やレーベル、イヴェントといった背景があって生まれた現象ではなく、今日のDTM(デスクトップ・ミュージック)がより身近になった時代、ごく自然に、それぞれのアーティストの手で同時多発的に生みだされたポップ・ミュージックのトレンドと言える。

 ソンも、そんな時代に登場するべくして登場したアーティストだ。ダブステップの影響下にあるエレクトロニックな楽曲群は柔らかなダンス性も備えているが、彼の最大の武器は何よりも、そのナイーヴかつメランコリックな歌にある。一貫して物悲しさを湛えたままの、美しい歌声が触れる者を捉えて止まない、そんなソンのヴォーカルだが、カジュアルにテクノロジーを駆使する彼は、自らの歌声に惜しげもなくオートチューンを噛ませたり、カットアップ&ループ加工を施したり、一人多重コーラスを組み上げたりすることにより、自身のヴォーカルをさまざまな切り口で楽しませてくれるのだ。

 本来はどちらかと言えばスタジオ・ワークのために生み出された技術をステージ・パフォーマンスにも持ち込み、ソンの独壇場となるライヴの現場では、歌いながらリアルタイムでヴォーカルに手を加えてゆく姿も面白い。拙い歌唱力をサポートするためのテクノロジーではなく、元々優れている歌をパフォーマンスとして遊び尽くすためのテクノロジー。新鮮なポップ・ソングの境地を切り開く彼の姿は、前述した【Hostess Club Weekender】での来日公演においても確認できるのではないか。絶好の機会となりそうだ。

 4ADと契約した2013年の春以降、「Bloodflows」「Lessons」といったキャッチーなシングル作品で瞬く間に話題となったソン。はにかんだ笑顔を浮かべながら「歌」に焦点を当てた斬新なアイデアを披露してくれる新星に、ぜひ注目して貰いたい。

Text: 小池宏和

◎公演情報 【Hostess Club Weekender】 日程:2014年6月21日(土)、22日(日) 場所:新木場スタジオコースト 出演: <6月21日>Blonde Redhead / Simian Mobile Disco performing WHORL / Perfume Genius / SOHN / Highasakite <6月22日>Cat Power / Cloud Nothings / Joan as Police Woman / TOY / The Bohicas info:http://www.ynos.tv/hostessclub/

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