上昇続く派遣の時給 オフィスワーク・技術系は過去2年間で最高時給

2014年6月15日 22:01

 景気回復に伴う人材の売り手市場が続く中、派遣の時給がじわじわと上昇している。人材サービスを手掛けるエン・ジャパンによると、5月度の三大都市圏の募集時平均時給は1,514円。前月比マイナス3円(0.2%減)となったものの、前年同月比ではプラス20円(1.3%増)で、6ヶ月連続で前年同月比プラスとなった。オフィスワーク・技術系では特にこの傾向が顕著で、直近2年の最高時給を更新した。

 このところ報道でも頻繁に人手不足が話題にとなっているが、派遣スタッフの確保も難易度が高く、昨年末から新規スタッフ獲得のため、各社時給を上げる動きが続いている模様。並行して、既存スタッフのつなぎとめ施策にも各社が工夫をこらすなど対応に忙しいようだ。

 職種別平均時給では「オフィスワーク系」職種が1,466円で前月比プラス5円(0.4%増)、前年同月比プラス15円(1%増)、「技術系」職種が1,666円で同プラス28円(1.7%増、)同プラス107円(6.9%増)において、直近2年の最高時給を更新した。人材確保の難易度が上がったことに加え、事務業務のアウトソーシング化などが進み、派遣スタッフに求める要件が上がった影響と考えられている。

 このほか、前年同月比プラスは「営業・販売・サービス系」職種の1,381円前月比プラス4円(0.3%増)、前年同月比プラス3円(0.2%増)、「クリエイティブ系」職種1,619円同マイナス1円(横ばい)、同プラス18円(1.1%増)、「IT系」職種 1,934円同マイナス14円(0.7%減)、同プラス94円(5.1%増)、「医療・介護系」職種1,414円で同プラス3円(0.2%増)、同プラス127円(9.9%増)だった。

 エリア別では、関東エリアが1,579円で前月比マイナス4円(0.3%減)、前年同月比プラス26円(1.7%増)、東海エリア1,319円プラス5円(0.4%増)、同プラス28円(2.2%増)、関西エリア1,336円同マイナス13円( 0.9%減)、同プラス17円(1.3%増)のエリアにおいて、前年同月比プラスを更新。主要都市各地で時給上昇傾向が続いた。

 人手不足については特に外食産業などで深刻な影響を見せていることが報道されるが、時給の上昇がほぼすべての職種で見られることを考えると、影響は一部にとどまっているとは言い難い。企業と雇用者のミスマッチをなくし、限られた人材を最大限有効に活用するために、人材サービス会社のマッチング機能は腕の見せ所というところだろうか。(編集担当:横井楓)

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