『ビッグマン』台詞に見る現代社会の自画像
2014年6月14日 20:37
KBS 2TV月火ドラマ『ビッグマン』(脚本:チェ・ジンウォン、演出:チ・ヨンス、制作:キム・ジョンハクプロダクション、KBSメディア)は、小市民代表キム・ジヒョク(カン・ジファン)と財閥ヒョンソングループ後継者カン・ドンソク(チェ・ダニエル)の対立を描きながらリーダー像に対する疑問を投げかけ視聴者の好評を集めている。
特に、非常識が常識として通じる彼らの世界と、その世界に対し反旗を翻したジヒョクの姿を通じて“真のリーダーの指針書”を提示している『ビッグマン』のメッセージは、台詞を通じて更に克明なものになった。今回は、これまで視聴者の心に深く染み込んだ台詞について見てみることにする。
■社会に警鐘を鳴らした“現実共感台詞”
『ビッグマン』はヒョンソングループを通じて物質万能主義が蔓延する現代社会に対し鋭い警鐘を鳴らした。“人の上に立とうと思うなら下にいる人たちの協力が必要なんだ”、“そっちの世界では友達とは一番近い敵にすぎないのでしょう”、“法律?それは本の中の文字にすぎない。執行は人間が行うものだ”、などの台詞からは、自分の利益のためなら弱者の犠牲くらい何とも思わない現代社会の姿が浮き彫りになり、見る者をドキリとさせた。
■カン・ジファンを通じて投影した真のリーダー指針書、喉の渇きを解消してくれた感動の台詞
ジヒョクの台詞は、積極的に引っ張ってくれる英雄を必要とする我々の喉の渇きを解消してくれるものだった。
“カネ?あるにこしたことはないよ。でもなくてもいい。もともとなかったし。オレにはそんなもの重要じゃない“、“汚い世の中に妥協しなくとも絶対に成功できる。一本の道だけを一生懸命進んで行ったらそこに続く道が見えてくる。そう信じさせて下さい”、“カン・ドンソクは全てを持っています。カネ、権力、全て。それにひきかえ僕達には何もありません。仲間しか・・・。仲間を捨てたら僕たちは負けです”など、カネではない人間の価値を優先するジヒョクの姿は視聴者の胸を打ち大きな反響を得た。
このように台詞を通じてあらわになったそれぞれが追及するやり方も考えも全く違う二つの世界の確実な対比は『ビッグマン』が伝えようとしたメッセージをより明確にし、見る者を熱狂させている。毎週月火曜日の夜10時に放送中。(翻訳:宮本りさ)