日産、EV初の商用車「e-NV200」を10月発売

2014年6月9日 17:09

 日産自動車は9日、同社の電気自動車(EV)としては初の商用車「e-NV200」を10月から発売すると発表した。

 「e-NV200」は、多目的商用バン「NV200バネット」をベースに、e-パワートレインを組み合わせることで、室内の広さや多用途性を確保し、EVならではの加速性と静粛性を兼ね備えたモデルとしている。

 また、パワープラグを採用することで、屋外での電源供給が可能となり、イベント時の電源提供、災害時の非常用電源など、“走る蓄電池”として、さまざまなビジネスシーンに役立てることができる。「e-NV200」は、バンタイプの他、5人乗り、7人乗りのワゴンタイプを設定し、乗用ユースとしても利用できる。

 同社は、量産EVとして「日産リーフ」を販売し、これまでに世界で累計11万5000台以上の実績をあげている。今回の「e-NV200」は、グローバルに販売する2車種目の量販EVである。内燃機関の商用車と比較して、ランニングコストを抑え、周辺騒音への配慮など、環境にやさしい車として、企業イメージの向上に貢献できるとされている。

 航続距離は、油圧式制御ブレーキの採用により、多くの制動シーンで回生が可能になり、満充電時に185~190km(JC08モード)を実現している。

 「e-NV200」は、バッテリーをフロア下に搭載し、低重心化を図ったことで、コーナーでのぐらつきやステアリング操作からの応答遅れを低減させた。また、サスペンションの高剛性化やセッティングにより、クラストップの吸収性を実現した。そのため、長時間乗っても疲れにくく、荷物をたくさん積んでも、快適な乗り心地を確保できるとされている。

 希望小売価格は、バンタイプが、388万440~407万8080円、ワゴンタイプが、462万4560~478万6560円。全グレードが「エコカー減税」措置に適合し、自動車重量税と自動車取得税が免税となる。さらに、最大85万円の購入補助金(クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金)を受けることができる。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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