セコムと豊田通商がインドで運営する病院事業にJBICが出資
2014年6月6日 23:30
セコムと豊田通商は5日、インド財閥グループと共同経営する現地の総合病院事業会社に、国際協力銀行(JBIC)が出資すると発表した。出資額は6億3000万ルピー(約11億円)。第三者割当増資による優先株式をJBICが引き受ける。JBICが医療事業に出資参画するのは今回が初めてである。
セコムのグループ会社であるセコム医療システムと豊田通商は2012年4月に、インド財閥のキルロスカ・グループとともに、3社共同経営の総合病院事業会社「タクシャシーラ・ホスピタルズ・オペレーティング」(資本金23.3億ルピー、約40億円)を設立、今年3月に「サクラ・ワールド・ホスピタル」を開院した。
事業会社及び病院は、インド南西部カルナータカ州の州都バンガロールに立地する。病院は、脳・神経系、心臓系、消化器系の疾患を中心とした、高度急性期医療に対応するための総合病院で、床数は294。高性能な医療機器と最先端の医療技術を備えている。医療スタッフに対する教育にも力を入れ、日本式のきめ細かな医療サービスを提供している。
今回のJBICの出資は、13年に1月に閣議決定された「日本経済再生に向けた緊急経済対策」を踏まえたもので、同年2月に創設された「海外展開支援出資ファシリティ」を活用した。
セコム医療システムは、日本国内で18の病院と提携し、地域に根ざした医療サービスの提供に取り組むとともに、積極的な海外展開を計画している。
豊田通商は、生活環境の向上に貢献する「ライフ&コミュニティ」事業の一つとして、病院・医療・介護などに力を入れており、今後、海外での医療事業にも取り組んでいく方針である。(記事:南条 誠・記事一覧を見る)