商業施設の集客は首都圏が伊勢丹新宿店、関西は阪急うめだ本店がトップ
2014年6月5日 12:20
日経リサーチは3日、商業施設の利用実態調査「首都圏センサス」と「関西センサス」の最新調査データの提供を開始したと発表した。東西主要施設の利用率に基づく集客力ランキングのトップは首都圏が伊勢丹新宿店、関西が阪急うめだ本店で、どちらも2期連続首位になった。
首都圏センサスとは 毎年春1回、秋2回実施しているインターネット調査。今回は今年3月、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県在住の約1万5000人が首都圏の主な商業施設707カ所について、直近3カ月間の利用実態などを回答したもの。
今回は、前回調査(2013年9月実施)に続いて「伊勢丹新宿店」が利用商業施設のランキングで首位となった。2位の「渋谷ヒカリエ」以下、3位が「西武 池袋本店」、4位が「銀座三越」、5位が「小田急百貨店 新宿店」、6位が「ヨドバシAkibaビル(マルチメディアAkiba)」、7位が「京王百貨店 新宿店」、8 位が「そごう 横浜店」、9位が「ルミネ新宿」、10位が「池袋サンシャインシティ(アルタ、アルパ)」となった。6位まで前回と順位に変動はなく、トップテンの顔ぶれも前回と同じだった。
上位の商業施設は安定した強みを発揮している。2012年10月に丸の内駅舎の保存・復原工事が完成し、人気スポットになった東京駅周辺では、エキナカの「GRANSTA」(36位→25位)や現在、整備事業が進んでいる八重洲口側の「大丸東京店」(18位→15位)、「東京駅一番街」(39位→34位)が順位を上げたのに対し、丸の内側は「新丸ビル」(28位→32位)、「KITTE」(29位→36位)などが順位を落とし、明暗が分かれた。
一方、関西センサスは 今年4月、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山の2府4県に住む約7500人が、関西の主な商業施設235カ所について、利用実態などを回答したもの。
今回は前回調査(2013年10月実施)から2期連続で「阪急うめだ本店」が首位を獲得した。2位以下は「ヨドバシカメラマルチメディア梅田」、3位が「大丸梅田店」、4位が「阪神梅田本店」、5位が「グランフロント大阪」、6位が「あべのハルカス近鉄本店」、7位が「阪急三番街」、8位が「LUCUA」、9位が「Whityうめだ」、10位が「高島屋 大阪店」と続く。前回2位に初登場した「グランフロント大阪」は5位に後退した。
梅田地区以外の商業施設では、2014年3月にグランドオープンし、注目を集めている日本一の超高層ビル『あべのハルカス』の核店舗である「あべのハルカス近鉄本店」が、部分開業だった前回8位から上昇し、6位に食い込んだ。
首都圏トップの伊勢丹は経営不振が続き2011年に三越に吸収された。現在直営店は新宿本店を含む関東地区の6店舗だけになっている。しかし、関東では相変わらず集客力は強いようだ。一方、関西トップの阪急うめだ本店は20代の若者向け売り場を充実させ、若者の取り込み狙っている。これが功を奏した結果となった。(編集担当:慶尾六郎)