Appleのコンピュータ新OS X「Yosemite」と新iOS8は完全連携を果たす ユーザーは今秋、無償でアップデートできる

2014年6月5日 11:17

 Appleは2014年6月3日、OS X(10.10)「Yosemite」を発表した。パワフルな新バージョンのOS Xは、新鮮でモダンな外観にデザインを一新して、洗練度を高めた。パワフルな新アプリケーションによるMacおよびiOSデバイス間での作業を効率化する。一般ユーザーへの提供は秋以降だ。同時に、iOSもアップデートし、iOS8となる。こちらもYosemite同様に秋にリリースとなる。どちらも無償のアップグレードとなる予定だ。

 Apple世界開発者会議「WWDC 2014」が開催され、基調講演は日本時間6月3日午前2時より行なわれた。そこで、Appleのソフトウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデント、クレイグ・フェデリギは次のように語った。

 「新OS X『Yosemite』は、信じられないような新しいデザインで登場する。新しいアプリケーションが、すべてiOSとスムーズに連動するように設計された、Mac OS Xの未来だ。私たちはプラットフォーム、サービスそしてデバイスを一緒に設計しているため、私たちのすべての製品間でシームレスなエクスペリエンスをユーザーに提供すること可能で、これは業界で類のないこと。まさにAppleだからこそできること」と。つまり、iPhoneやiPadなどとMacintoshが完全に連携するということなのである。

 新しいOS X「Yosemite」の通知センターで「今日の表示」を使うと、カレンダー、天気、株価、リマインダー、世界時計、そしてソーシャルネットワークのウィジェットにより、知るべきすべての事柄をひと目で確認できる。加えて好みのウィジェットをMac App Storeからダウンロードして、自分の今日の表示をカスタマイズすることも可能だ。

 Finderに直接組み込まれた新しい「iCloud Drive」は、どのようなタイプのファイルでもiCloudに保存することが可能。iCloud DriveはMac上にある他のフォルダと同じように使うことができるため、書類をそこにドラッグしたり、フォルダやタグで整理したり、Spotlightを使って内容を検索することもできる。iCloud Driveを使うと、Mac、iPhone、iPadからiCloud上にある自分のすべてのファイルにアクセスできるというわけだ。

 また、重要なコントローラーでもあるブラウザのSafariは新しくすっきりとしたデザインに生まれ変わり、新しい「お気に入り」表示からお気に入りのウェブサイトに素早くアクセスすることができる。パワフルな新しいタブビューは、開いているすべてのウェブページをひとつのウィンドウにサムネール表示。Safariは、独立したプライベートブラウジングウィンドウを内蔵するなど、プライバシーのコントロールも強化した。また、HTML5 Premium Video Extensionsをサポートし、Netflix HDビデオを最大2時間以上長く視聴することも可能になる。パワーアップしたSafariは、JavaScriptの実行がFirefoxに比べて6倍以上、Chromeに比べて5倍以上早いという。

 Mac標準のメーラーであるMailは添付書類の編集や送信がこれまで以上に簡単になったという。「Handoff」機能を使うと、あるAppleデバイスで開始したアクティビティを別のデバイスで継続することができる。つまり、出先でiPadを使って行なっていた作業を帰宅後に自宅のMacBookで継続できるというわけだ。新OSの連係機能によりMacとiOSデバイスは完璧なパートナーとなり、Handoff機能を使えば、これまでiPhoneにだけ表示されていたSMSやMMSのメッセージが手元のすべてのデバイスのメッセージにも表示されるようになる。また、Macから直接SMSまたはMMSメッセージを送信したり、Macをスピーカフォンとして使ってiPhoneで通話をしたりすることも可能になる。

 Markupを使うと、メールの中から素早く書類に記入、署名したり、画像やPDFに注釈を加えることも可能。Mail Dropを使うと、最大5GBまでの大きなサイズのビデオや画像、ファイルをメールアプリケーションから任意のメールアドレス宛に簡単に送信できる。

 同時に発表となったiOS8は、iCloud DriveでAppleのMacBookなどと連携して、あらゆるタイプの書類ファイルを安全に保管して、任意のデバイスからアクセスして編集することができる。

 iCloud Driveではアプリケーション間の連係も完全に新しいレベルのものとなり、同一のファイルに対して複数のアプリケーションからシームレスにアクセスして作業できるようになるという画期的な側面もある。

 iOS 8はセキュリティの強化と共に管理機能が向上。主な内蔵アプリケーションに対するデータ保護レベルが拡大し、オフィス不在時の返信設定、会議を設定する際の参加者のスケジュール確認、メールにおけるスレッド通知の設定といった仕事効率化機能も加わる。

 iPhoneなどAppleのiOS 8機器とMacBookやiMacなどのMac OSコンピュータの連携強化は、デバイス間の仕事効率か以上にエンターテインメント性を高めるような気分を伝えてくれる。(編集担当:吉田恒)

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