「曲面薄型液晶テレビ」の問題点

2014年6月2日 16:01

eggy 曰く、 飽和したテレビ市場で売り上げをのばすため一部メーカーが「曲面型液晶テレビ」を導入している。これは最新技術や目新しいデザインに惹かれる消費者の心を掴むことにある程度成功しており、「カーブしたディスプレイ」市場は今後も成長を続けると見込まれている。しかし、このデザインに疑問を呈する意見もある(Computer WorldSlashdot)。

 メーカーらの説明によると、ディスプレイを内側にカーブさせることで画面の両端が視界に入りやすくなり、また周囲の光の反射を抑える効果があるため見やすくなるという。しかし、「スイートスポット」以外の場所からみている人には映像が歪んでみえるという弊害もあるという。テレビを1人で見ている場合なら良いが、家族で見るには向いてなさそうだ。

 さらに、技術的な問題も存在するという。ディスプレイをカーブさせることで色がにじみやすくなるが、これを防ぐためにピクセル間の暗色帯の幅を広げる必要があり、これは液晶の透明性を20%ほど減少させてしまうとのこと。そこでより強力な光源が必要となるのだが、それによりLED数が増え、消費電力や製造コストも増えるという。そして、カーブしたディスプレイの目新しさはすぐに薄れることが予想されるため、曲面型テレビは長くは続くかないだろうとアナリストは予想している。

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