今だからこそ考えたい、「住み心地」の良い家とは

2014年6月1日 15:17

 消費税率の二段階引き上げや、2015年1月に施行される相続税及び贈与税の税制改正の影響で、住宅購入への関心が高まっている。とくに注文建築住宅は、計画開始から引き渡し、入居まで半年以上の期間を要する。15年10月に予定されている10パーセントへの消費税引き上げを回避しようとすれば、早ければこの夏頃から徐々に駆け込みムードが高まってくるだろう。たかが2パーセントの増税といえども、数千万円の住宅購入では資金計画に大きな影響を及ぼすことは言うまでもない。

 しかし、住宅購入の際に2パーセントの節税よりも大切に考えたいのが「住み心地」だ。今も昔も、住宅は一生の買い物。購入時にいくらお得だったからといって、住み心地の悪い家に何十年も住まうことになったら、目も当てられない。消費税アップの気運に流されて焦るあまり、後々後悔するような物件を掴むことだけはさけたいものだ。

 では、「住み心地の良い家」とは、どのような家なのだろうか。ひと口に「住み心地」といっても、家族構成や年齢、仕事、趣味など、何を優先させるかによって「住み心地」の定義は人によって異なるだろう。

 たとえば、夫婦のみの家庭と子供のある家庭、親と同居の家庭ではライフスタイルが大きく違う。また、子供のいる家庭でも、子供の年齢や成長性別、人数によっても十人十色だ。また、住まう土地によっても「住み心地」は左右される。

 東洋経済が全国の市を対象に調査を行っている「住みよさランキング」によると、2013年度の総合評価1位は千葉県印西市、2位が石川県野々市市、3位が茨城県守谷市となっている。通勤圏で交通が便利であることや、大型商業施設や病院等々も充実していることなどが、やはり評価の決め手となるようだ。また、「地盤が固い」「防災意識が高い町」など、災害対策の充実による安心感も「住み心地」につながっていると思われる。

 住宅メーカーによっても「住み心地」の定義は微妙に異なるようだ。たとえば、ミサワホームでは、子育て世代の「住み心地」の快適さを追及したGENIUS「Link-Age」with Kidsを展開している。子育て家族の願いや希望をでき得る限り実現させたこのシリーズでは、リビングとダイニングの間にセンター階段を設定し、1階と2階を立体的につなぐ、大きな吹き抜け「センターヴォイド」や親子で向かい合って座れるバスステップ付浴槽の「ファミリーバスルーム」など、数々の提案によって、子育てを楽しみ、親子のきずなを深める提案がなされている。

 また、三井ホームは他社製品に比べてもとくに「健康」に注力しており、同社独自の健康空調システム「スマートブリーズ」を導入することで、ホコリだけでなく花粉やカビの胞子、さらには最近健康被害が心配されている「PM2.5」にも標準で対応しており、有害物質を家の中からシャットアウトする。

 さらに、日本全国の工務店ネットワーク・ジャーブネットを主宰するアキュラホームは、「ワイドクローゼット」「多機能玄関収納」「ワイド1050たっぷり収納洗面」「壁埋め込みトイレ収納」等、他社ではオプションで扱われることの多い収納を標準で搭載している。しかも、奥行きなどは収納するジャケットやコードの肩幅に合わせるなど1ミリ単位での設計が可能だから、収納が足りず困るような人や、逆にそんな大きな収納は入らないけれど小さな収納がたくさん欲しい人、靴の多い人など、その人、その家族のライフスタイルに合わせ、収納に対するわがままな要望を叶えてくれる。

 こう見てみると、快適な住まい探しは、住宅メーカー選びで大きく左右されることがよく分かる。住宅購入を考える際は、建物の価格やメーカーのネームバリューだけに惑わされるのではなく、できるだけ「住み心地」という視点で自分に合ったメーカーを選ぶことも失敗しない家選びの秘訣なのではないだろうか。(編集担当:藤原伊織)

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