東工大、藻類から陸上植物に至る遺伝子の進化過程を解明
2014年5月31日 21:03
東京工業大学の堀孝一研究員らは、藻類と陸上植物の中間的な存在である「クレブソルミディウム」のゲノムを解析し、藻類から陸上植物へと至る遺伝子の進化過程を明らかにした。
植物が水中から陸上へと進出してきたことは、地球の歴史を語る上で非常に重要な出来事である。しかし、水中から全く環境が違う陸上へと移動するにあたって、どのような進化を遂げ適応していったのかは明らかにされていなかった。
今回の研究では、藻類と陸上植物の中間的な存在である車軸藻植物門「クレブソルミディウム」に着目して、そのゲノム解読をおこなった。そして、陸上植物に特徴的な遺伝子が増えていった過程を解明し、クレブソルミディウムの祖先がどのような遺伝子を獲得していったのかを予測したところ、成長や環境変化に関わる植物ホルモンなどに関連する遺伝子が多く含まれていたことが分かった。
この研究成果は、生命の陸上進出を解明していく上で大きな基板となるものであり、藻類の培養技術などにも活用できると期待されている。
なお、この内容は5月28日に英国科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載された。