川崎重工の合弁会社、中国で環境配慮型ごみガス化システムを4機連続受注
2014年5月28日 22:23
川崎重工は28日、中国海螺(CONCH)グループとの合弁会社である安徽海螺川崎工程有限公司(ACK)が、中国において、同社とACKが共同開発した環境配慮型ごみガス化システム(CKKシステム)4機を連続受注したと発表した。中国甘粛省、重慶市、福建省及び貴州省向けのシステムで、8月より順次納入の予定である。
CKKシステムは、既存のセメントプラントにごみ焼却炉を併設することにより、セメント生産工程とごみ処理を一体化させ、ごみの無害化・減量化・再資源化を図る、世界初のシステムとされている。このシステムでは、ごみや下水汚泥をガス化し、そこで得られる熱エネルギーをセメント生産工程で有効利用することにより、使用される石炭などの化石燃料及びCO2排出量を削減することができる。
ごみ・下水汚泥をガス化した後の灰などはセメントの原料として再利用できるため、従来のごみ焼却処理に必要な焼却灰の最終処分が不要であり、完全な“ゼロエミッション(廃棄物ゼロ)”システムとされる。
ごみ処理の際に発生するダイオキシン等の有害物も、セメント焼成工程で無害化されるため、有害物処理専用の設備を必要としない。また、CKKシステムは、既存のセメントプラントにごみ焼却のガス化炉を併設するだけでよいため、新規にごみ焼却処理施設を建設する必要もなく、初期費用を抑えることができる。
中国では、2013年10月に国務院通達により、既設のセメントプラントの10%以上でごみ処理を義務付けられたため、今後、CKKシステムの需要拡大が見込まれている。(記事:南条 誠・記事一覧を見る)