メルセデス製のターボエンジンを搭載した日産スカイラインがデビュー
2014年5月28日 08:28
日産のスポーツセダン「スカイライン」に、2リッターターボエンジン搭載車が追加された。ルノー日産アライアンスとダイムラー・メルセデスの提携で成立したエンジンの共用化が実現したわけだ。そう、日産スカイラインのターボエンジンはメルセデス製のエンジンで、現状のベンツEクラスが搭載するのと同じパワーユニットなのだ。
この新しいエンジンの追加で、日産は「スカイラインの上質なドライビングプレジャーを提供するパワートレインは、既に販売しているハイブリッドに加え2種類となりました。“スカイライン200GT-t”は、ハイブリッド車で好評を博しているデザインや“全方位世界最高峰の安全性能”はそのままに、力強く、低燃費、軽量な次世代ターボチャージャー付ガソリンエンジンの走りを実現します」とプレスリリースで唱い上げている。
今回、ダイムラーから得たターボ付ガソリンエンジンは1991cc直列4気筒で、型式274930型という日本のエンジンでは例のない数字だけの表記だ。スカイラインとしては、排気量をダウンサイズし燃費性能の向上を図りながら、クラストップレベルの動力性能を獲得したというアウトプットは、211ps(155kW)/5500rpmの最高出力、35.7kg.m(350Nm)/1250-3500rpmの最大トルク。 排気量を抑えながら、NAガソリン2.5リッターエンジンに匹敵する力強さと加速性能を発揮している。特にスペックで光るのは、最大トルクの発生回転で、欧州メーカーらしい低回転でのトルク特性の高さだろう。
日産はリリースで、「信号待ちからの発進、ワインディングでのコーナーからの立ち上がり、高速道路の合流時には、すぐれた加速性能を体感できます」と自画自賛している。組み合わせたオートマチックトランスミッションは7速。多段化で各速度のギヤ比が近づいたためスムーズで効率のいい変速を実現。アクセルを踏み込んだ際に素早くダウンシフトする優れた変速レスポンスにより、伸びやかで途切れのない加速が得られという。
また、「アイドリングストップ」、「直噴ガソリン機構」、「可変バルブタイミング」、「電動油圧パワーステアリング」、「充電制御」などの採用によりJC08モード燃費13.6km/リッターの燃費となった。スカイライン・ターボ車は、全車「平成27年度燃費基準」を達成し、減税措置適用となる。
さらに全グレードで国土交通省より「平成17年基準排出ガス75%低減レベル」に認定されている。
最後になるが、新型日産スカイライン・ターボの簡単な諸元につて触れておこう。ボディのスリーサイズは全長×全幅×全高4800×1820×1450mm(Type SP)、ホイールベース2850mm。車重1650-1670kg。タイヤサイズはベーシックグレードで225/55R17、上級グレードのType SPは、2リッターセダンとしては、かなり過激な245/40R19となる。
なお、余談だが、この2リッター・ターボエンジンは、現状でメルセデスの米工場で生産しているが、今秋から日産のテネシー工場生産に移管する。また、今夏に日本に導入予定のメルセデス・ベンツCクラスにも同エンジンが搭載される予定だ。(編集担当:吉田恒)