筑波大、フロンガスの破壊と再利用に有効な化学変換法を発見
2014年5月26日 16:43
筑波大学の市川淳士教授らは、室温下でフロンガスの炭素-フッ素結合を切断し、様々な用途に使える化合物を生成する新しい技術を開発した。
フッ素・塩素・ハロゲンを含む炭化水素であるフロンガス類のうち、クロロフルオロカーボン(CFC)はオゾン層破壊物質に指定され、その後は代替フロンとしてハイドロフルオロカーボン(HFC)が使われてきた。しかし、ハイドロフルオロカーボンは温室効果ガスとして指摘されるようになり、これを分解する方法が求められてきた。
今回の研究では、0価ニッケル錯体を使ってフロン類の1種であるトリフルオロメチルアルケンとアルキンを反応させることで、これまで切断が困難とされていたフロン類の炭素-フッ素結合を切断でき、さらに生成物として含フッ素シクロペンタジエンが得られることが明らかになった。含フッ素シクロペンタジエンは、様々な化合物を作るために有用な物質で、今回の研究結果はフロンガス類を再利用するという点で大きな意義があると言える。
なお、この内容は、5月18日にドイツの科学誌「Angewandte Chemie International Edition」オンライン速報版に掲載された。