相次ぐ死刑の失敗により、薬物注射の人道性が米国で議論の的に
2014年5月25日 14:32
薬物注射による死刑は、絞首刑や銃殺刑、電気椅子による死刑などと比べて人道的であると米国では考えられてきた。しかし、オクラホマ州での薬物注射失敗など、失敗例が相次いで報じられたことから薬物注射の人道性が議論の的となっている(Chemical & Engineering Newsの記事、本家/.)。
米国で1977年に導入された薬物注射による死刑の失敗率は7.1%となっており、他の死刑方法よりも高い。薬物注射は医療的な方法だが、米国医師会など主な医療関係の団体では医療関係者が死刑にかかわることを非倫理的であるとしており、アドバイザーの立場でもかかわるべきではないとしている。そのため、薬物の量が正しく計算されないまま使われているほか、現場では静脈注射に失敗するといった事故も発生する。また、最初の段階で使用する麻酔薬の供給が不足していることもあり、十分な検討が行われないまま新たな組み合わせの薬物が使用されているのが現状だ。製品が死刑に使用されないように流通体系を構築している製薬会社もあることから、独自に薬物を調製しようとする州も増えている。これらの動きを「人体実験」とする批判もあるとのことだ。 スラッシュドットのコメントを読む | 犯罪 | 医療 | アメリカ合衆国
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