橋下大阪市長、文春記事に法廷で大反論「弁護士時代、性的接待受けてない」
2014年5月23日 16:19
【5月23日、さくらフィナンシャルニュース=大阪】
5月16日に、「橋下徹大阪市長、文藝春秋社に損害賠償を請求する訴訟を提起」という記事を報じた。さくらフィナンシャルニュースの取材で詳細が判明したのでお伝えする。
事件番号は、平成26年(ワ)第2017号。原告は大阪市長の橋下徹氏で、文藝春秋(本社:東京都千代田区)を相手どり、約1100万円の損害賠償請求を起こした。
文藝春秋社は、発行する雑誌『週刊文春』(平成25年5月30日号、以下、「本件雑誌」)で、原告の特集記事(「ドキュメント 維新壊滅"慰安婦辞任"へのカウントダウン 橋下徹の断末魔」、24〜31ページ)を組んでいた。
橋下市長が平成26年3月に提出した訴状によると、特集記事中の一節(27・28ページ)の中の一部が名誉毀損だとする。その一節の小見出し「ソープ接待にご満悦 橋下徹と風俗街の"深イイ関係”」という表現や、橋下市長自身の発言として伝聞形式で紹介されている風俗店に関する性的表現などが、社会的信用を失わせる記事だと主張している。
とりわけ、『週刊文春』が風俗店関係者へのインタビューとして紹介した、飛田新地(大阪市西成区)の人物から原告が(性的)接待を受けている、という内容の記述が、公人としての原告の信用を傷つける表現であるうえに事実無根だと原告は主張する。
平成26年5月16日に第1回口頭弁論が開かれ、原告は上記の訴えを陳述し、被告は原告の請求の棄却を求めた。
証拠書類として裁判所に提出されている『週刊文春』の該当箇所(27ページ)には、大阪市西成区飛田新地の組合と、弁護士時代の原告との間に業務上の関係があった、という記述がなされている。
しかし、橋下市長が名誉毀損だとして訴えているのは、風俗店関係と思われる飛田新地の組合と、原告とのあいだの関係が指摘されたことではない。橋下市長が弁護士時代、仕事の見返りとして性的接待を受けていた、と読者に思わせるような記述法(原告の発言の伝え聞きとして紹介される性表現など)を『週刊文春』が採用していることを、原告側は争点にしたい考えだ。
文春側は追って主張を明らかにするという。
事件は大阪地方裁判所・第25民事部合議1係の担当。裁判長が長谷部幸弥(司法修習所第42期)、裁判官が松永晋介裁判官(第56期)および伊藤圭子(新第66期)の合議体。
原告の弁護士は松隈貴史氏、被告の弁護士は喜多村洋一氏がつとめている。
今後は、文春側がどこまで事実と信ずるに値する内容を立証できるかどうかがポイントになりそうだ【了】
取材・文 井上 聡