ソニー、今年度中にエレクトロニクス事業の改革を完了 経営方針説明

2014年5月23日 16:29

 ソニーは22日、東京・港区の本社で、2014年度経営方針説明会を開いた。その中で平井一夫社長兼CEOは、「高収益企業への変容と持続的な成長を遂げるため、今年度中にエレクトロニクス事業の構造改革を完遂する」方針を示した。また、ゲーム&ネットワークサービスやモバイルなどの重点施策についても方向性を述べた。

 エレクトロニクス事業の構造改革に関しては、PC事業の収束や、テレビ事業の分社化、販売会社及び本社の構造改革を着実に進め、今年度中に改革を完遂するとした。とくに、PC事業については、現在、各国で販売中の春モデルをもって、ソニーとしての事業が終了することになる。ソニーの「VAIO」ブランドで販売しているPC事業やその関連資産の一部に関しては、日本産業パートナーズ傘下の「VAIO株式会社」に7月1日を目途に譲渡する。

 テレビ事業については、7月1日を目途に新会社「ソニービジュアルプロダクツ」を発足させる。その上で、テレビ事業を支える販売会社と本社間接部門の固定費削減を着実に進め、外部環境に左右されにくい事業構造の構築を図るとしている。

 同社はまた、4Kテレビ(高画質化テレビ)を含む高付加価値戦略を一層推し進め、今年度中にテレビ事業の黒字化を図りたい考えである。「ソニービジュアルプロダクツ」の社長には、現ソニー業務執行役員の今村昌志氏が就任する。

 エレクトロニクス販売会社全体としては、2015年度までに、2013年度比約20%、本社間接部門で30%の費用をそれぞれ削減する方針。また、エレクトロ事業の構造改革のため13年度、14年度で合計3,000億円以上の費用計上を見込んでおり、構造改革の効果として15年度以降に年間1,000億円以上のコスト削減が期待できる。それによって、15年度には4,000億円規模の連結営業利益を目指せるとしている。

 同社は引き続き、ゲームネットワークサービスの強化、モバイル事業の拡充などに取り組むとともに、15年度では、4K超短焦点プロジェクターや「スマートテニスセンサー」(ショットの即時分析可視化装置)など、新規事業にも取り組んでいく方針である。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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