北海道大など、セロトニンと不安の関係解明へ前進 抗うつ薬への貢献に期待
2014年5月23日 15:35
北海道大学、慶應義塾大学、名古屋大学による合同研究グループは、光遺伝学を用いた実験によって、セロトニンを増加させたマウスが不安様行動を示すことを明らかにした。
脳内のセロトニン神経活動は不安と大きく関係しているものの、これまではセロトニン神経だけを操作することが難しく、間接的な証拠しか得られていなかった。
今回の研究では、光を照射することで特定の脳神経の活動を制御する「光遺伝学」という技術を用いてマウス実験がおこなわれた。遺伝子改変マウスの脳内に光ファイバーを埋め込み青色の光を照射することでセロトニン神経の活動を増加させたところ、マウスが不安様行動を示した。また、研究グループは、この行動に大きく関係しているのは脳内の正中縫線核という部位であることを突き止めた。
この研究成果は抗不安薬や抗うつ薬の開発に寄与すると期待されている。