米GM水素電池で「シボレーエクイノックス」累積走行300万マイル達成

2014年5月22日 09:06

 近年、環境への低負荷なエンジンと、車に限らず脱石油の声が聞かれて久しいが、13日の発表でゼネラルモータース(GM)は、水素が動力源の燃料電池電気自動車(FCEV)で公道走行の実証実験を行ない、累積300マイル(480万キロメートル)を達成した。車両によっては12マイル(19.312キロメートル)以上の走行も成功した。

 FCEVは、風力やバイオマスから作られた再生可能な水素燃料を利用し水だけを排出、3分程で水素の充填と400マイルの走行、また小型から大型車まで搭載できる技術とのことである。GMによると動力に水素を使用したことで、ガソリンの消費量を157,884ガロン(597,694リッター)抑えた計算。

 燃料電池電気自動車は「シボレーエクイノックス」を利用した。07年より北米で「プロジェクト・ドライブウェイ」という実証実験を119台で進め、5,000人以上のドライバーから、機能性や運転性のフィードバックを行っている。

 13年にミシガン州のGMパワートレイン・ワールド本部に「燃料電池研究開発所」を開設した。7月には20年頃の実用化を目処に、次世代の燃料電池システムと水素貯蔵システムの共同開発をする長期的な提携契約を締結し、9月にはU.S.アーミー・タンク・オートモーティブ研究開発&技術センターは、自動車燃料電池技術試験のための、協力関係を深めると共同で発表した。13年10月には10万マイル実走行を達成しており(約16万キロ)5,260ガロン(約19.111リットル)のガソリンを抑えたことになる。

 GMは、自動車産業は持続可能な輸送機関システムという考えがあり、エネルギーやCO2排出量の問題とは切り離せない。石油の代替、エネルギーの多様化、CO2排出の減少、基準汚染物質の減少を目標にしており、車両の電動化は環境問題のため重要と考えている。

 60年代より燃料電池自動車の研究を進めており、現在、次世代燃料電池の市場への導入と商品寿命10年間、電池の小型化やコスト低減を目標にしている。

 「クリーンエネルギー特許成長指数」で13年以降認定された燃料電池の特許数で1位、02年以降の燃料電池の特許数でも他をリードする企業である。自動車業界の直面するエネルギーとCO2排出の問題を解決するべく、燃料電池の市場化が楽しみである。(編集担当:高井ゆう子)

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