大平洋金属、ジャストシス、日成ビルドなど/本日の注目個別銘柄

2014年5月20日 16:30


<4689> ヤフー 459 +48買い気配スタート。イー・アクセスの買収を中止すると発表、ポジティブに受け止められている。ソフトバンク<9984>から3240億円で買収の計画であったが、ネットサービスの提供に特化すべきと判断したもよう。白紙になった詳細な経緯など不透明感は残るものの、買収発表後は、多額のキャッシュアウト、未経験領域への参入リスクなどが警戒されて株価は調整に転じていたため、評価する動きが先行する格好に。SMBC日興証券では、買収中止は英断として、投資判断を「2」から「1」に格上げしている。

<8011> 三陽商会 230 -34急落。英バーバリーとの「バーバリー」ライセンス契約を来年6月で終了すると発表している。「バーバリー」は同社売上高の2割強を占める主力製品、今後の業績の落ち込みが警戒される状況に。中期計画では、バーバリーの売上が消滅する16.12期営業損益は20億円の赤字予想に。18.12期は50億円の黒字に転じる見通しだが、不透明感は拭えないようだ。先に観測報道が伝わって急落した後、第1四半期好決算発表などで持ち直していたが、正式な契約打ち切りを受けて、あらためて見切り売りが優勢の展開になる。

<5541> 大平洋金属 493 +39続伸。前日はメリルリンチ(ML)の投資判断2段階格上げが買い材料視されたが、本日はニッケル市況の大幅な上昇が手掛かり材料となっている。前日のニッケル市況は前日比で5.65%の大幅な上昇になっている。世界最大手のニッケル生産会社である露ノリリスクが来年のニッケル市場は供給不足に陥るとの予想を示し、市況上昇の要因につながったもよう。住友鉱<5713>などの強い動きも目立っている。

<4680> ラウンドワン 602 +14買い先行。三菱UFJでは投資判断「アウトパフォーム」継続で、目標株価を1200円から1300円に引き上げている。決算発表を嫌気して直近で急落していた中、現値水準よりも2倍以上の目標株価を受けて、見直しの動きが強まる状況のようだ。中長期的には、今後、競合他社の淘汰加速で残存者メリットの享受が期待できるとの見方。また、本格的な米国の多店舗展開で海外事業が収益拡大の牽引役になり、将来的にグローバルなAM施設運営企業になっていくとの期待も高めている。

<9503> 関西電力 941 +36しっかり。16日に原子力規制委員会では原発再稼働に向けた安全審査の会合を開いている。そこでは、高浜原発の地震想定値が大筋で了承されているもよう。これに伴って、高浜3・4 号機は、九州電力・川内原発に次ぐ優先審査プラントに近づいたとの見方が強まってきているようだ。

<7744> ノーリツ鋼機 624 -150ストップ安比例配分。前日に決算を発表、今期の減益見通しが嫌気されている。前期営業利益は29.7億円で前期比4.8倍と急拡大したものの、今期は27億円で同9%減益見通しに。V字型の回復傾向が一服する状況へ。前期業績の上方修正で直近上げ幅を広げていただけに、利食い売りが急がれる状況にもなっているもよう。なお、四季報では今期予想は30億円となっていた。

<4686> ジャストシス 748 +100ストップ高。前日付けで、一部外資系調査機関が投資判断を買い推奨に格上げしているもよう。リバウンドのきっかけにつながっているとみられる。また、新興市場の下落基調に連れ安する形で、株価の調整が続いていたものの、本日は売り込まれてきた銘柄の一角でリバウンドの動きも目立っており、リターンリバーサルの流れも追い風になっているようだ。

<1916> 日成ビルド 263 +21後場から急伸。前引け後に自己株式の取得実施を発表している。取得株数は発行済み株式数の3.8%に当たる250万株、取得期間は明日から7月31日までとしている。前回の自社株買いは2012年の6月に実施、10日間で取得上限5億円を買いつけた実績がある。目先の需給期待が高まる状況になっている。

<3398> クスリのアオキ 3625 +210上げ目立つ。いちよしではレーティングを新規に「A」、フェアバリューを4600円としており、評価が高まっているもようだ。店舗形態の急速転換によるリカバリー局面から中期的な収益の拡大局面にシフトしたと判断、中期的な利益成長を考慮すると株価の上昇余地は大きいと考えているもよう。今5月期営業利益は、会社計画52.8億円に対して58億円を予想している。

<6740> JDI 526 +26反発。上場後は軟調な動きが続き、前日には一時500円を割り込む展開となっていたが、本日は突っ込み警戒感なども強まる状況となっているもよう。前日には野村が投資判断を新規「バイ」、目標株価を850円としており、本日の見直しのきっかけにもつながっている。野村では、同社の競争優位を再確認、今期の会社ガイダンスも過度に保守的と評価している。

<2127> 日M&A 2343 -104下げ目立つ。株式の売出実施を前日に発表している。254.4万株の売出、並びに、オーバーアロットメントによる売出38.16万株を実施する。投資家層の拡大、流動性の向上を目的としている。売出株数は最大で発行済み株式数の7.3%程度。全般的に需給面での警戒感が強まりやすい中、警戒感が先行する格好のようだ。《FA》

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