ウェアラブル端末進化論 「自分の情報を見る」ものまで登場
2014年5月19日 11:35
今、頭や手などに装着するカメラやセンサーなどの小型装置であるウェアラブル端末が熱い。話題のGoogleのGoogle Glassは14年年内にも一般発売される。また、ソニー、セイコーエプソンなどのメーカーから続々と新製品が登場している。さらに、先日、JALによって、ウェアラブルデバイスを航空機の整備作業や貨物の搭降載作業などに活用しようという試みが開始された。
MM総研の予測では、16年度にかけて市場が飛躍的に拡大する可能性が高いという。日本の市場規模は2014年度に111万台、20年度に604万台に拡大するとしている。ただ、同社では情報漏えいやプライバシー侵害が普及への課題になると懸念している。
たしかに、位置確認が容易になるため、盗撮や追跡といった恐れがある。しかし、こんな用途ではどうだろう?株式会社ジェイアイエヌ<3046>は13日、アイウエアブランド「JINS」(ジンズ)より、「自分を見る」をコンセプトに世界で初めて三点式眼電位センサーをアイウエアに搭載したメガネスタイルのセンシング・アイウエア「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」を15年春に発売すると発表した。
JINS MEMEは、人間の五感の約9割を占める「眼(視覚)」が持つ膨大な情報量に着目し、「自分を見る」をコンセプトにした。疲れ」や「眠気」などの重要情報の可視化、管理が可能となるという。
これは、眼電位センシング技術という技術を採用したもの。この技術は眼球運動にともなう眼の周りの電位差を検出する技術だ。この技術を応用したのが三点式眼電位センサーで、八方向の視線移動とまばたきのリアルタイム検出が出来る。検出したデータを独自の疲労指数による疲労度、眠気、消費カロリーの三つのデータとして分類しBluetoothによってスマートフォンに送り、表示するというもの。
アプリケーション動作環境はMac OS、Windows OS、iOS、Android OSに対応予定で、アプリケーション対応言語は日本語と英語である。価格は未定。
今回の製品が画期的なのは「自分を見る」をコンセプトにした製品であるということ。ウェアラブル端末はこれまでは外部の情報を取得するという用途が主だったが、ここから180°シフトした。ウェアラブル端末の進化はますます加速する。(編集担当:慶尾六郎)