「メリンジョ由来レスベラトロール」って知ってますか? 山田養蜂場が「ヒト試験で、生活習慣病を予防する効果あり」と発表
2014年5月17日 20:44
メリンジョは、インドネシア原産のグネツム科に属する雌雄異株の裸子植物で、高さが22m近くまで成長するものがある円錐形をした樹木だ。
アカデミックな表現では、学名:Gnetum gnemon Linn。和名:ユミヅルノキ。門:種子植物。副門:裸子植物。綱:Gnetinae。目:Gnetales。科:Gnetaceae。属:Gnetum。種:Gnetum gnemon(melinjo)となる。
メリンジョ果実の収穫時期は5月から7月、10月から12月、つまり春と秋の年2回。緑色に茂るメリンジョの木は、実が熟し始めると赤や黄色、オレンジ色に染まるという。ジャワ島やカリマンタン島などでは街路樹としても一般的だ。ジャワ島では、伝統的に自宅を建てるとメリンジョの木を庭に植え、食料として利用してきた。
大きめのピーナッツほどのメリンジョの種から作るウンピンと呼ばれるチップスは、インドネシアの食卓に欠かせない食品だ。メリンジョの種は栄養価が高く、炭水化物やタンパク質が豊富で、抗酸化・抗菌作用のあるポリフェノール(レスベラトロール)を多く含んでいることが最近わかってきた。
その内容はと言うと、メリンジョの種には、レスベラトロール類という赤ワインで脚光を浴びたポリフェノールが豊富に含まれている。とくにレスベラトロールの二量体「グネチンC」が多い。このレスベラトロール二量体と、その配糖体「グネモノシドA」「グネモノシドD」などのポリフェノール類の総体を「メリンジョ由来レスベラトロール」と呼ぶ。
2006年に科学誌『ネイチャー』に「レスベラトロールは、高カロリー食群の健康を増進させ、寿命を延長させる」という記事が掲載された。それ以来、赤ワインに含まれるポリフェノールの一種であるレスベラトロールが注目を集め、フレンチ・パラドックス(赤ワインを飲み過ぎるフランス人が意外にも健康だというコト)の要因がワインに含むブドウのポリフェノールにあるというのが一般的に知られることとなった。
「メリンジョ由来レスベラトロール」は、ブドウに含まれるレスベラトロールと同様に強い抗酸化力を持ち、動脈硬化防止作用をはじめ、抗ガン、アルツハイマー病や成人病の予防にも有用性があるとされ、予防医学の視点からも研究が進められていた。
今回、岡山に本社を置く蜂蜜などのミツバチ産品で有名な山田養蜂場と日本テレビ「世界一受けたい授業」や書籍「100歳までボケない101の方法(文藝春秋)」などで有名な白澤卓二・順天堂大学大学院医学研究科・教授が協力して、「メリンジョ由来レスベラトロール」のヒト試験を実施し、その有効性を世界で初めて明らかにした。
結論を端的に記すと、「メリンジョ由来レスベラトロールは血中尿酸値を低下させ、善玉コレステロール(HDL)を増加させる」というのである。
ヒト試験では、「ブドウなどに内包するレスベラトロールだけを飲用した場合、尿酸値が下がる実績は得られない。が、メリンジョ由来レスベラトロール(レスベラトロール、レスベラトロール二量体と、その配糖体グネモノシドA、グネモノシドD、グネチンCなどを含む)を服用した場合には、8週ほどで0.5ポイント以上低下させた」という。
この結果、健康な健常者のうちから「メリンジョ由来レスベラトロール摂取」によって、痛風の発症が予防でき、高い尿酸値がもたらす腎障害や糖尿病、動脈硬化性疾患など生活習慣病の予防にも繋がるという。
山田養蜂場は、メリンジョの健康食品としての効用に早くから着目し、インドネシア・メリンジョ協会と連携し生産農家を支援。メリンジョの普及推進と情報提供を数年前から行なってきた。この海を超えた国際協力は栽培支援だけでなく、環境保全など多岐に及んでいる。(編集担当:吉田恒)