4月のデジタル家電販売結果 増税のダメージは限定的か
2014年5月14日 07:21
2014年4月のデジタル家電販売数量実績は、多くのカテゴリーで前年割れに見舞われた。 1日に実施された消費税増税の影響と増税前の駆け込み購入の反動によるもので、特に「液晶テレビ」や「レコーダー」「デジタルカメラ」などは、前年比で2割以上販売台数が減少した。一方で、Windows XPのサポート終了に伴う買い換え需要が継続しているパソコンは依然好調。3月に比べれば前年比の増分は縮小しているものの、「デスクトップパソコン」や「ノートパソコン」をはじめ2ケタ増の水準を維持しており、増税による市場へのダメージは今のところ限定的といえそうだ。パソコンやデジタル家電のマーケティングを行うBCNが実施した、全国の主要家電量販店の実売データを集計する「BCNランキング」で明らかになった。
増税が実施された4月、大きな影響を受けたのはAV関連製品で、2割以上の前年比マイナスに見舞われるカテゴリーが目立った。例えば、4月の「液晶テレビ」の販売台数前年比は74.3%。駆け込み購入が活発だった3月の139.0%と比べると、落差は64.7ポイントと大きかった。
3月に152.9%と大幅な伸びを示した「レコーダー」も4月には70.2%で、82.7ポイントと落差はさらに大きかった。そのほか、3月に200.5%と駆け込みが顕著だった「電子ピアノ」も、4月には84.0%と2ケタ割れ。116.6ポイントのマイナスで3ケタの大きな落差を記録した。
しかし、もっとも駆け込み購入が激しかった3月と、翌4月の2か月間の販売台数を累計し昨年の同時期と比べると、前年を上回るカテゴリーは22カテゴリーと一挙に拡大する。液晶テレビの前年同期比は113.6%、レコーダーも118.2%、電子ピアノも143.7%。この2か月に限ればまだ前年を大幅に上回っている状況だ。
増税直後にもかかわらず前年を超える水準を維持しているのが、パソコン関連。税率変更に直接関係する「業務ソフト」は4月でも244.2%と好調。XPサポート終了に伴うパソコン買い替え時のデータ移行ソフトを含む「システムメンテナンスソフト」も149.7%など好調が続いている。
さらに、「デスクトップパソコン」が121.3%、「ノートパソコン」も112.1%と2ケタ増を維持している上、「SSD」(116.6%)、「液晶ディスプレイ」(104.1%)など、周辺機器も好調だ。Windows8の不評から、13年はパソコンが大きな落ち込みを示した。その反動が出ているという面もあるものの、パソコン関連市場の買い替え特需は、もうしばらく続くとBCNでは見ている。
BCNによれば4月以降の週次動向では、多くのカテゴリーで、増税直後の7日間に記録した水準から急速に回復しつつあり、デジタル家電市場における増税の一時的なダメージは、数か月間と比較的早期に解消できる可能性が高くなってきた模様。(編集担当:横井楓)