自転車に対し「一時停止」や「赤信号」の無視を許容すると事故が減る?

2014年5月14日 07:00

あるAnonymous Coward 曰く、 アメリカの都市では交通法規に従わないサイクリストが多くなっているという。一時停止の標識は無視し、赤信号でも車が来ないと判断すれば渡ってしまう例が増えているそうだ。しかし、場所によってはサイクリストの判断は間違っていない。アメリカのいくつかの場所では、サイクリストに対し、一時停止と赤信号の柔軟性のある解釈を許容する「Idaho stop」という交通ルールが許容されているためだ。Idaho stopが採用されている場所では、一時停止は「車や歩行者に道を譲れ」という意味でしかないのだという(Voxslashdot)。

 2001年に物理学者のJoel Fajansが行った実験によると、一時停止の標識がない平坦な道と一時停止の標識がある平坦な道とで自転車の巡航速度を比較したところ、前者は後者よりも約30パーセントより速く巡航できるという。また前者は後者よりも25パーセント以上少ないエネルギーで移動できたそうだ。

 公衆衛生の研究者であるJason Meggs氏の調査によると、アイダホ州が1982年にIdaho stopを採用して以降、自転車事故が原因による負傷が低下したという。降水パターン、および道のレイアウトがある程度似ているサクラメントと比較した場合、アイダホは30.5%ほど事故率が低く、またベーカーズフィールドと比較すると150%の差があったとしている。記事では現在の都市部の標識は自動車向けのもので自転車には適さないとし、現実的なIdaho stopを採用していくべきだとしている。

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