ソフトバンク、任天堂、カシオなど/本日の注目個別銘柄
2014年5月8日 16:47
<9984> ソフトバンク 7299 -121伸び悩み続落。前日に決算を発表、前期営業利益は1兆854億円で前期比35.8%増益、従来予想の1兆円を上回り、市場コンセンサス並みの着地となった。一方、今期営業利益は従来からの予想を据え置き1兆円としている。市場予想の1兆1000億円程度は下振れているが、今後の上方修正の可能性なども指摘されており、特に悪材料視はされていない。全般的に決算インパクトは乏しいが、アリババのIPO申請に伴って米国ではネット関連株に換金売り圧力が強まっており、同社にもこうした需給懸念が強まる状況のようだ。
<7974> 任天堂 10595 -75売り優勢。前日に決算を発表、前期の営業損益は464億円の赤字となり、従来予想350億円の赤字を下回る内容に。一方、今期は400億円の黒字に転換の見通し、市場予想200億円の黒字を上回る回復予想となっている。「Wii U」用ソフトや「ニンテンドー3DS」の販売数量下振れ、研究開発費の上振れなどが前期業績下振れの主因。今期業績に関しては達成のハードルが高いとの見方や、来期以降の持続可能性は低いといった見方が優勢、今期想定以上の回復見通しに関しては、ポジティブな見方が限定的のようだ。
<6952> カシオ 1240 +67買い優勢。前日に発表した決算が買い材料視されている。前期営業利益は266億円で前期比32.5%増益、従来予想の260億円をやや上回る水準での着地となった。一方、今期は350億円で同31.7%増益、330億円レベルの市場コンセンサスを上回る見通しに。強いガイダンスに加えて、増配の実施や自社株買いの可能性など株主還元策の強化、財務体質の改善など評価ポイントは多くなっているようだ。
<8031> 三井物産 1516 +53買い優勢。前日の取引時間中に決算、並びに中期計画を発表している。株主還元策の強化方針を評価する声が多いようだ。前期配当金は前の期に比べて16円増配となる59円としており、今期は中期計画における配当性向の30%引き上げに伴い64円を予定している。これにより、前日終値をベースとした配当利回りは4.4%の水準となる。また、自社株買いの可能性なども示唆されているようだ。
<5631> 日本製鋼所 402 -33急落で年初来安値を更新。前日に発表の決算内容がネガティブなインパクトを強めさせている。前期営業益実績は88.6億円で前期比46.9%減益、従来予想の85億円はやや上回る着地となった。一方、今期は95億円で同7.2%増益の見通し、130億円レベルの市場予想を大幅に下回っている。前期の受注実績も市場想定を下回っており、市場コンセンサスは切り下がる状況に。素形材・エネルギー事業の回復が遅れているようだ。
<6131> 浜井産業 139 +20急伸。富士機械製造と工作機械を共同開発するとの報道が伝わっている。これまで両社は株式の持ち合いを進めてきたが、本格的な協業は始めてとなるもようだ。直近は大口受注報道を受けて急伸、その後は前期業績の下方修正もあって、高値もみ合いの動きとなっていたが、目先の利食い売りが一巡する中で、あらためて上値追いのきっかけ材料につながる状況へ。なお、同社の筆頭株主である明治機械も急伸。
<6751> 日本無線 454 +48急伸。前日に発表の決算が手掛かり材料に。営業利益実績は72.8億円で前期比85.8%増益、先の上方修正値を上振れて着地した。今期は80億円で同9.9%増益の見通し、本業ベースでの順調な拡大に加えて、最終利益が115億円で同5倍と大幅な拡大見通しであることも買い材料に。最終利益の拡大に伴い今期末は5円配当を予定、4期ぶりの復配となる。
<5413> 日新製鋼 1150 +149上昇率トップ。昨日発表した決算が評価材料視されている。前期経常利益は197億円となり、従来予想の180億円を上回る着地、市場コンセンサスも10億円程度上振れている。今期計画は非公表であるが、ニッケル価格の上昇もあって大幅増益への期待感は高まる状況のようだ。メリルリンチ(ML)では今期の展望はより明るくなったと評価、三菱UFJでは実力値での回復を株価が織り込む局面を迎えると指摘。
<5334> 特殊陶 2475 +189決算発表後は上げ幅を広げる。前期営業利益は517億円、前期比2.2倍と急拡大、従来予想の470億円を上回り、市場コンセンサス水準での着地となった。一方、今期営業利益は620億円で同20.0%増益見通し、市場コンセンサス水準の610億円を上回る格好となっている。信用倍率は1.1倍と需給面は良好な状況にあり、想定を上回る今期業績見通しを受けて、買い戻しの動きが強まっているようだ。
<4205> 日ゼオン 839 -74後場寄りの決算発表を受けて下げ幅広げる展開に。前期営業利益は299億円で前期比26.2%増益、従来予想の280億円を上回ったが、市場コンセンサスの310億円レベルには未達。今期は250億円で同16.4%減益の見通し。330億円レベルが市場予想水準であったため、予想外の減益ガイダンスになっている。ひとまずはネガティブな見方が優勢となっているもよう。
<8058> 三菱商事 1938 +119朝方から決算期待で買い優勢となっていたが、決算発表後は一段高の展開に。前期純利益は4448億円で前期比23.5%増益、従来予想の4200億円に加えて、市場予想も上回る着地となっている。今期は4000億円で同10.1%減益、市場予想を下回っているが、保守的な前提として特にネガティブ視されていない。一方、前期配当金は13円の増配となる68円にまで引き上げ、今期は70円の予想に。また、発行済み株式数の2.4%に当たる4000万株を上限とした自社株買いの実施も発表、取得期間は5月9日から7月31日までとしている。三井物産<8031>と同様に、株主還元策の強化を評価材料視する動きになっている。
<7203> トヨタ 5528 +17決算発表を控えてもみ合い。先の観測報道では、前期営業利益は約7割増益となる2兆3000億円前後になったもようと伝わっている。08年3月期の過去最高益を6年ぶりに更新したようだ。同観測報道では、今期営業利益は前期並みの高水準を確保と想定している。市場予想は2兆6000億円台半ばの水準となっているが、ホンダのネガティブガイダンスもあったため、ややコンセンサスは切り下がっている状況と捉えられよう。《FA》