OECD、14年の世界経済成長率予想を3.4%と下方修正
2014年5月8日 08:50
6日、経済協力開発機構(OECD)が経済見通しを発表した。それによれば、2014年の世界経済成長率の予想は3.4%であった。去年11月に発表された3.6%という数値から下方修正を行った。中国やそのほかの新興国の市場の景気拡大ペースが鈍化していることが理由。そして、15年の世界経済成長率は3.9%になるとの予想を示した。
OECDによれば中国の成長率予想は7.4%であり、これまでの見通しであった8.2%から下方修正した。OECDは中国やロシアなどに新興国に関して、それらの国々が回復路線から外れることはないものの、世界経済の成長率の上昇を妨げているとの見解を示している。
ロシアの経済成長率については、0.5%と予想。ウクライナ問題による欧米との軋轢が影響した模様。
さらにアメリカに関しては、OECDは2.6%との成長率予想を示している。こちらも去年の11月に発表された2.9%という数値に下方修正が行われている。今年の第1四半期の悪天候の要因を反映させた模様だ。またOECDはアメリカの景気回復傾向が続くなか、米連邦準備理事会(FRB)については、年内にも資産買入れを終了させ、15年には利上げを開始すべきだとの見解を示した。
ユーロ圏に関しては、経済成長率を1.2%と予想した。こちらは去年の11月時点の1.0%からわずかに上方修正した。しかしOECDは欧州中央銀行について、デフレ懸念を払しょくするために行動を起こすべきだとの指摘を行っている。また15年末までに政策金利をゼロに引き下げるべき、また預金金利をマイナスにするべきではないかとの見解を示した。
そして日本の経済成長率に関しては1.2%との予想を行った。しかし今年の4月に実施された消費税増税の影響を鑑みて、11月に発表された1.5%という数値から下方修正された。そしてOECDは日本銀行に対して、物価や賃金、そして企業利益の上昇という好サイクルを支えるためには、現在行われている資産買入れの度合いを緩めるべきではないとの見解を示した。
さらには、長期金利の上昇の引き金となる可能性を指摘した上で、日本に対して財政引き締めは先送りするべきではないとの指摘も行った。(編集担当:滝川幸平)