日立化成、フォスター電機、名村造船所など/本日の注目個別銘柄
2014年5月7日 16:37
<9984> ソフトバンク 7420 -399伸び悩む。中国のアリババが米でIPO申請と伝わっている。米市場でのIPOとしては過去最大規模になる可能性ともされており、含み資産の増大を改めて期待する動きも先行したが、規定路線ではあるため、短期的な出尽くし感と受け止める向きもあるようだ。また、前期純利益は5200億円程度になり、NTTドコモ<9437>を初めて上回ったとされているが、市場コンセンサス通りであり、インパクトは限定的にとどまっている。
<9983> ファーストリテ 30950 -1090売り先行。先週末に4月の月次動向を発表している。既存店売上高は前年同月比3.3%増となり、消費増税後の立ち上がりとしては底堅いスタートとなる格好へ。ただ、衣料品専門店全般的に、増税前の駆け込み需要は限定的にとどまっており、同社に関しても、3月は0.6%増にとどまっていた。全体相場の下落に抗えるような材料にはならず。
<6794> フォスター電機 1204 -187下落率2位。先週末に発表した決算内容が嫌気されている。前期営業利益は60.2億円で前期比9%増益、従来計画64億円を下振れた。一方、今期は50億円で同17%減益の見通し、75億円程度の市場コンセンサスを下回り、想定外の減益予想としている。ハイエンドスマホの成長率鈍化、主要生産拠点での労務費上昇などが響く格好のようだ。
<4217> 日立化成 1525 +16しっかり。三菱UFJでは投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」に格上げ、目標株価も1550円から1800円に引き上げている。グローバルサプライヤーとしての地位を確立すべく、海外拠点へ積極的な投資を進めてきたが、今期からはこうした投資の回収期に入る可能性が高まってきたと判断しているようだ。大型投資は概ね一段落、先行投資の果実を享受する期間は数年間続くと指摘へ。
<6809> TOA 1091 +77買い優勢。先週末に発表の決算では、前期に続いて今期も2ケタの増収増益見通しとしている。今期営業利益50億円は四季報予想の45億円なども上回るレベルとなっている。順調な好業績を評価する動きに加えて、防犯カメラの特集記事が掲載されていることで、関連銘柄の一角に関心が向かっていることなども支援材料につながる。
<7014> 名村造船所 922 +74大幅高。先週末に業績予想、並びに増配を発表している。前期営業利益は180億円から223億円に上方修正、期末配当金も10円から20円に引き上げへ。既受注船の予想採算の好転、新規受注船価の改善などが進んだ。EPSは230円レベルまで増大、前期予想基準でのPER水準の割安感などが一段と強まる状況へ。
<2453> JBR 307 -80ストップ安比例配分。第三者委員会の設置、並びに、第2四半期決算発表の延期を発表している。連結子会社バイノスの売上計上に懸念を生じさせる事実がある旨の通知を受け、その実態解明に努めているが、現在も調査が継続中のもよう。詳細は不明ながら、目先の不透明感を警戒視する動きが優勢となっているようだ。
<1518> 三井松島 138 -16急落で年初来安値を更新。先週末に決算を発表、今期の営業赤字転落を嫌気する。前期営業利益は18.9億円で前期比50.5%減益、今期は2億円の赤字に転落する予想。四季報予想は24億円の黒字予想であった。燃料事業における石炭価格の下落や販売数量の減少が響く格好に。高水準の信用買い残整理の動きなどが強まる状況にも。
<2726> パル 2204 +124大幅続伸。ドイツ証券では投資判断を「ホールド」から「バイ」に格上げ、目標株価も2300円から2700円に引き上げている。商品の価格転嫁が想定以上に進んでおり、粗利益率の底打ちによる利益率の改善が明確になってきたと指摘。業績予想の上方修正に伴い、今2月期は3期振りの営業増益転換、来期には最高益の更新を予想としている。
<5938> LIXIL 2663 -47決算発表後はいったん切り返す動きへ。前期営業利益実績は691億円で前期比37%増益、従来計画700億円水準での着地となった。一方、今期営業利益は800億円で同16%増益の見通し、ほぼ市場コンセンサス水準の予想となっている。2月の大雪被害の影響なども懸念されていたため、想定通りの決算数値を受けて、目先の安心感へとつながる格好のようだ。売り方の買い戻しなども先行とみられる。
<2749> JPHD 462 +6しっかり。認可保育所を現在の約100箇所から17年度までに160箇所に増やすと報じられている。政策支援なども背景に認可保育所の新設を加速化、あらためて今後の収益拡大を期待する動きが優勢に。なお、政府が「50年後に人口1億人程度を維持する」との中長期の国家目標を設けることが明らかになったとも手掛かり材料につながる。
<6963> ローム 5440 +20続伸で年初来高値を更新。決算発表後は評価の動きが強まる状況となっている。一時は今期業績見通しなどがネガティブ視される局面も見られたが、先週末の説明会などを通じて、業績見通しは保守的との見方が優勢になっていく状況へ。4月の売上高は前年比で10%以上増加しているもよう。UBSでは目標株価を6000円から6500円に引き上げている。《FA》