3月の完全失業率、前月と横ばいの3.6%

2014年5月6日 20:16

 2日、厚生労働省が発表した3月の労働力調査によれば、完全失業率(季節調整値)は3.6%で2月と横ばいであったことが分かった。3月の有効求人倍率(季節調整値)は1.07倍で、2007年6月の結果である1.07倍以来、6年9ヶ月ぶりの高水準となった。

 完全失業率を男女別に見てみると、男性は前の月と同じ3.7%で、女性は前月比0.1ポイントアップの3.4%であった。また年齢階級別に見てみると、男性は「15~24歳」で悪化し、女性は「15~24歳」「35~44歳」「45~54歳」で悪化した。

 完全失業者数(原数値)は、前年同月比12.1%ダウンの246万人であり、34万人減少した。これで46ヶ月連続の減少となった。男女別で見てみるとでは、男性が前年同月と比べて31万人減少して149万人、女性が前年同月と比べて3万人減少して97万人となった。求職理由に関しては、「勤め先や事業の都合による離職」が前年同月と比べて14万人減少し49万人であり、「自発的な離職(自己都合)」が前年同月と比べて9万人減少して90万人であった。また就業者数は6346万人であり、14万人増加した。

 有効求人倍率は07年6月以来の高水準で、1.07倍であった。都道府県別では、愛知県が1.55倍と最も高く、沖縄県が0.63倍と最も低かった。有効求人数は前月比0.4%ダウン、有効求職者数は前月比1.7%ダウンという結果であった。また新規求人倍率は前月比0.01ポイントダウンで、1.66倍だった。

 有効求人倍率はハローワークで職を探す人1人に対して、企業からの何件の求人があるかを示している。企業が3月に出した求人は主に4月以降の入社を想定しており、厚生労働省は、企業からは消費税増税後も積極的に採用を続ける姿勢が見えるとの分析を行っている。

 しかし1993年1~3月の完全失業率と、14年1~3月期の完全失業率を比べてみると、14年の方が大きく上回っている。このように完全失業率を押し上げている要因は、企業側が求めている人材と、就業者側の希望や能力がミスマッチすることによって起こるタイプの失業ではないかと言われている。少子高齢化が進行する現在、企業側の人材確保が上手くいかなければ、そのまま経済成長の足かせとなる可能性もある。(編集担当:滝川幸平)

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