大成建設が国内広域大都市型DRで電力ピークカット最大33.2%を達成
2014年5月2日 08:44
大成建設<1801>は、国内広域大都市型デマンドレスポンス実証で電力のピークカット20%の削減目標に対して、先進技術と次世代ビルエネルギーマネジメントシステム(スマートBENS)を活用することにより最大33.2%の削減を達成した。
同社は技術センター(横浜市戸塚区)において、経済産業省「次世代エネルギー・社会システム実証地域」として横浜市が推進する「横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)」の業務・商業ビル部門でのデマンドレスポンス(DR)実証に参加している。
デマンドレスポンスとは、電力需給の逼迫が予想される場合に、電力使用抑制の協力依頼を受けて需要家側で電力の需要を調整する仕組みのこと。
また、横浜スマートシティプロジェクト(「YSCP」)」は、横浜市が民間企業と共同で取り組んでいる事業。大成建設では、技術センターに最先端設備を導入、システム構築することで、快適性と最適なエネルギー利用の両立を目指している(実証事業は、株式会社東芝との共同実施)。横浜市をはじめ国内4都市で実施されている「次世代エネルギー・社会システム実証事業」のDR実証においては、大成建設は業界唯一の参画企業となった。
YSCPビル部門で実施された冬季(2013年1月)および夏季(2013年7月~9月)のDR実証に対して、再生可能エネルギーを有効利用しながら、熱と電力の両方で創エネ、蓄エネを行うスマート蓄熱・蓄電システムと全体システムを最適に制御・運用するスマートBENS活用により、DRにおける最高レベルのエネルギーマネージメント技術を確立。その結果、電力ピークカット率が冬季で平均22.9%、最大24.1%、夏季で平均28.7%・最大33.2%の実証結果を得た。
BEMSとはビルエネルギーマネジメントシステムの略で、ビルの照明・空調等の電力や熱等のエネルギーを総合的に管理するシステムのこと。スマートBEMSはさらに予測機能や最適化制御機能を持たせたシステムである。
この時は、削減要請に対しての電力削減量に比例してインセンティブ(報奨金)が付与される方式で実施されたが、2014年1月からはオークション形式を用いた「市場型入札方式」によるDR実証を進めており、同社も参画している。
大成建設は、この実証を通して得た知見を、今後、ビル単位や街区レベルでの省エネやBCP対応はもとより、DRに適したスマート化対応技術の確立にも役立てる方針だ。(編集担当:慶尾六郎)