【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インタースペースは第2四半期の利益増額を好感して急動意、出直り本格化

2014年5月2日 09:05

  ネット広告のインタースペース <2122> (東マ)の株価は急騰した13年12月高値後の反動調整局面だったが、5月1日の取引時間中に発表した第2四半期累計(10月~3月)の利益増額修正を好感して急動意の展開となった。好業績を評価して出直りの動きが本格化しそうだ。なお5月8日に第2四半期累計の業績発表を予定している。

  アフィリエイト(成果報酬)型のネット広告事業を主力として、子会社でコンテンツやソーシャルアプリなどのメディア運営事業も展開している。ネット広告事業は、アフィリエイトサービス「アクセストレード」を中心に事業展開し、携帯電話ショップをネットワーク化した店舗アフィリエイトサービス「ストアフロントアフィリエイト」も日本最大規模の店舗ネットワークに成長している。

  中期成長に向けた重点戦略としては、スマートフォン向け自社サービスの開発・販売強化、アフィリエイト事業を中心とした既存事業への積極的投資、海外事業展開の早期立ち上げなどを掲げている。海外は13年10月、タイに海外3拠点目となる現地法人を設立した。

  アライアンス戦略では、13年10月にモバイル広告ネットワーク事業の米アーキと戦略的業務提携、13年11月にO2Oマーケティングソリューション事業のモギーと資本業務提携、13年12月に中国・上海の子会社ISUCが中国最大のアフィリエイトネットワーク「億起発(イーチーファー)」を提供するEMAR(イーマー)と業務提携した。

  また5月1日にはサイファの株式取得(議決権所有割合1.5%)を発表した。サイファは東京を中心にグルメ、ヘア、ネイル、エステ、スクールなどのクーポン情報を提供する「クーポンランド」を運営している。アフィリエイトサービス「アクセストレード」および店舗アフィリエイトサービス「ストアフロントアフィリエイト」と連携して事業領域を拡大する方針だ。

  5月1日に今期(14年9月期)第2四半期累計(13年10月~14年3月)の連結業績見通しの修正を発表した。売上高は1億28百万円減額して前年同期比11.9%増の78億79百万円となり、営業利益は1億36百万円増額して同92.7%増の4億49百万円、経常利益は1億39百万円増額して同92.3%増の4億50百万円、純利益は98百万円増額して同3.0倍の2億54百万円とした。アフィリエイト事業における店舗アフィリエイトサービスの獲得件数増加、メディア運営事業における収益性の高いタイトルの堅調推移などが寄与した。

  通期見通しは前回予想(11月12日公表)を据え置いて、売上高が前期比8.7%増の165億円、営業利益が同8.5%増の6億42百万円、経常利益が同7.1%増の6億39百万円、純利益が同61.7%増の3億19百万円としている。純利益については子会社ののれん減損損失一巡も寄与する。

  ネット広告事業は「アクセストレード」で金融カテゴリーが好調に推移し、スマートフォン向けアプリ広告が牽引して新サービスも寄与する。メディア事業は13年7月リリースの女性向け恋愛ソーシャルゲーム「愛しのショコラティエ」の好調、ママ向けコミュニティサイト「ママスタジアム」のユニークユーザー数拡大などで収益が改善する見込みだ。

  5月1日修正後の第2四半期累計の進捗率は売上高が47.8%、営業利益が69.9%、経常利益が70.4%、純利益が79.6%となるため、通期利益は再増額の可能性が高いだろう。ネット広告市場は拡大基調であり、中期成長力に対する期待も高まる。

  株価の動きを見ると、急騰した13年12月高値1716円から反動調整局面となり、概ね1000円~1100円近辺のレンジで推移していたが、5月1日の取引時間中に発表した第2四半期累計の利益増額修正を好感して急動意の展開となり、5月1日は前日比175円(16.28%)高の1250円まで急伸して2月28日の1212円を上抜く場面があった。

  5月1日の終値1130円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS47円26銭で算出)は24倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は0.4%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS360円24銭で算出)は3.1倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線から上放れ、週足チャートで見ると戻りを押さえていた26週移動平均線を一気に突破した。2月安値888円、3月安値943円、4月安値991円と下値も切り上げており、強基調に転換して出直りの動きが本格化しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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