東邦大学、国内湖沼の水生生物の分布データベースを公開 1899年以降の100年分

2014年4月29日 22:00

 東邦大学の西廣淳准教授らは、日本国内にある268の湖沼について、過去100年間に渡る水生生物の分布データを作成し、公開した。

 このデータベースは、湖沼の生態系調査などの研究に使われる他、政策にも大きな貢献をすると考えられている。2010年には生物多様性条約COP10で、採択生物多様性の変化と現状を把握することを求めた「愛知目標」が掲げられ、日本でも環境省が予算を組んでこれを達成するための活動を支援している。

 同研究チームは、学術雑誌や市民調査報告書など200以上の資料をあたり、1899年から現在までの約100年の期間、「いつ、どこに、どのような水生生物が存在していたか」をまとめ、公開した。このような「どこに何という名前の生物がいたか」という生物相のリスト作成は、生態系の状態を知る上で最も基礎となる。

 なお、このデータベースは、Ecological Research(生態学の国際誌)のオンラインページでも公表されることになった。

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