NTTと三菱重工、光ファイバやビッグデータなどで研究開発連携

2014年4月28日 19:07

 NTTと三菱重工業は28日、研究開発連携することで基本契約に合意したと発表した。NTTの研究所が持つICT(情報通信技術)分野の研究開発成果を、三菱重工のエネルギー・環境、交通・輸送等の社会インフラ関連製品や国内外の工場・現場などに適用し、新たな価値創造を目指すという。

 両社によると、連携の内容として、(1)光ファイバ・センサ、(2)ビッグデータ、(3)AR/メディア処理の3つの検討テーマから共同開発や共同実験などの活動を進めていくという。

 光ファイバ・センサ分野では、NTTが通信分野で培った光ファイバやレーザ技術、電波の計測技術、生体情報計測技術などを活用し、三菱重工の製品の保守運用や製造現場等への適用可能性を検討していく。

 ビッグデータ分野では、三菱重工の製品の稼働状況や、コールセンタの利用者の声などのビッグデータを対象に、NTTのビッグデータ処理・分析技術の適用可能性を検討していく。

 AR/メディア処理分野では、三菱重工の国内外の工場や現地工事現場などでのサポート者と作業者との遠隔コミュニケーションや作業効率向上に対して、NTTのAR(拡張現実)技術や映像・音声等のメディア処理技術の適用可能性を検討していく。

 NTTは、中期経営戦略で、ICTを通じてパートナーとのコラボレーションを図ることで、新たな価値を提供することを目指している。現在、研究開発でも、異業種の様々な分野や業界のパートナーとのコラボレーションを通じて、共創・技術革新の取り組みを推進している。

 三菱重工は、今年1月に全社のICT統括組織として「ICTソリューション本部」を設立したばかり。ICTソリューション事業の新規発掘と拡大を目指すと共に、戦略的なアライアンス等を活用して、先端的な通信・情報処理分野などのICTを組み合わせて製品の競争力強化、製品開発のスピードアップを推進している。

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