ネット利用者、PCからは減少するもスマホは4割増加 自動車カテゴリで2倍も

2014年4月27日 19:49

 内閣府の消費動向調査からも、約半数の世帯がスマートフォンを持っていることがわかるなど、スマホの普及率はますます拡大し続けている。高性能化もさらに拍車がかかり、好みや使い方によってはスマホがあればPCがいらないと考える人も出てくるかもしれない。そんな傾向の裏付けとなる調査結果がこのほどメディア視聴行動分析サービスを提供するニールセンによってまとめられた。

 ニールセンの調査によれば、2013年度の1年間でPCからのインターネット利用者は約350万人(6%)減少し、14年3月時点で5,376万人となる一方で、スマートフォンからのインターネット利用者数(アプリの利用とウェブサイトの訪問の両方を含む)は約1,100万人(38%)増加し3,978万人に上った。

 利用者の増加が著しいスマートフォンからのインターネット利用を、カテゴリ別にして増加率をみると、メーカーサイトや自動車関連情報サイトが含まれる「自動車」カテゴリの増加率が最も高く98%と約2倍になっていた。次いで、カメラアプリや写真共有サイトが含まれる「写真機材、写真サービス」、および、宅配サービスを含んだ「行事、ギフト」カテゴリが79%と大きく伸びた。

 その他、アルバイト・就職・転職情報サイトを含む「教育・キャリア」や銀行やクレジットカードなどを含む「ファイナンス」カテゴリも、スマートフォンからの利用者全体の増加率(38%)よりも高くなっていた。

 性年代別の利用状況をみると、13年度で利用者数が最も増加したのは、35~49歳の女性で260万人(64%)増加、次いで20~34歳女性の240万人(30%)増加となっていた。また50代以上の女性は、利用者数自体は全年代のなかで最少であったものの、増加率は13年4月から倍増しており、全体的に女性利用者の増加が目立つ傾向にある。

 スマートフォンからの利用者数が多い上位10サービスに関して、その動向をみると、「LINE」、「Amazon」で58%、「Twitter」で48%と全体の平均増加率38%に比べても高い増加率となっていた。LINEは特に50代以上の男女の増加率が高く、若年層以外にも利用が広がり始めていることが分かった。

 通常、利用者数上位のサイトは全体に対する利用者割合が高いため、全体の増加率と同程度の増加傾向となることが多い中、この3サービスに関しては、依然としてスマートフォンからのインターネット利用者数全体の平均増加率を上回るペースで増加をしていることが分かった。

 同社エグゼクティブアナリストの中村義哉氏は「SNSやコミュニケーションサービス、さらには動画やECといったカテゴリでもスマホからの利用者が増加していることはすでに注目されているが、それら以外でも自動車や教育・キャリア、ファイナンスといったカテゴリにおいてスマホからの利用者増加率が高いことは注目すべきポイント。もはや全てのサービスカテゴリでスマホを中心としたコミュニケーション戦略を考える時期に来ている」と分析している。(編集担当:横井楓)

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