ベンツ、あらゆる悪路を走破する6輪モンスター「G63AMG6×6」 8000万円で5台限定販売
2014年4月26日 16:49
25日、メルセデス・ベンツ日本はクロスカントリービークル「Gクラス」に、六輪駆動のドライブトレインを搭載しオフロード性能を高めた特別仕様車「G 63 AMG 6×6(シックス バイ シックス)」を発売すると発表した。
日本向けには2014年の生産枠5台を特別に確保。同日から8月31日までの期間限定で注文を受け付ける。なお、アジアにおける同特別仕様車の販売は日本のみとのことだ。
Gクラスは1979年に発売されて以来、基本的なスタイリングや堅牢なボディはそのままに、常に最適のパワートレインや装備を加えながら進化を続けてきた。流行とは無縁の強烈な個性と圧倒的なオフロード性能を持ち、登場から35年を経た現在も根強いユーザーの支持を持つモデルといわれている。
同モデルはこの35年におよぶGクラスの歴史において、世界各国の軍用車両や防弾仕様車などの開発を通じて培った特殊車両技術を投入した、究極の「オフロードモンスター」といえよう。
6つの駆動輪と5つのディファレンシャルロック(差動固定装置)の採用をはじめ、アクスル(車輪に取り付ける軸)やサスペンションの最適化、タイヤ空気圧調整システムの搭載などにより、砂地・岩場・水溜まりといったあらゆる悪路を走破することが可能となった。
六輪駆動のドライブトレインについては、オーストラリア軍などに納入している軍用車両の技術を転用している。さらに、3つの車軸すべてとそれぞれの車軸間に搭載される5つのディファレンシャルギアすべてにロック機構を採用。センターコンソールの3つのスイッチを操作することで、急勾配や岩場をはじめとするあらゆるシーンで可能なかぎり最大のトラクションを確保することができる。
防弾仕様車の技術をベースとして新たに開発されたポータルアクスルの採用により、最低地上高460㎜、渡河深度1,000㎜を確保した。また、サスペンションには防弾仕様車で使われている強化コイルスプリングと、ラリーレース用に開発されたガス封入式ダンパーを採用し、高い走行性能・運動性能・走行安全性を実現している。
さらに、乗用車としては世界で初めて「タイヤ空気圧調整システム」を搭載。これにより、運転席からスイッチ操作で6輪すべてのタイヤ空気圧を調整することが可能になった。
たとえば、砂漠など柔らかい路面を走行する際にタイヤの空気圧を減圧して接地面積を増やすことにより、タイヤが地面に沈み込むのを防止するわけだ。この作業時間はトラックなどの場合に通常10分程度かかるが、本装置を使えば20秒以下で完了する。
エンジンは最高出力400kW/544PS、最大トルク760Nmの動力性能を有するAMG5.5ℓV型8気筒直噴ツインターボを搭載。トランスミッションには素早いシフトチェンジを実現する7速A/T「AMG SPEED SHIFT PLUS」を採用した。
外観は「オフロードモンスター」の名に相応しい全長約6m・全幅2m以上・全高約2.3mの巨大なボディに、カーボンファイバー製のオーバーフェンダーとフロントルーフスポイラーを装備。
インテリアはシート・ダッシュボード・ドアパネルにdesigno(ベンツが提供する個性的な色や、最高級な素材を用いて内外装をコーディネートするスペシャルプログラム)レザーを採用している。
ボディカラーは5色、インテリアカラーは2色を設定。
日本専用の仕様として、巨大なボディサイズと日本の道路事情を考慮し、360°カメラシステムなどといった本国仕様車にはない装備が搭載されている。
価格は8,000万円(消費税込み)。(記事:松平智敬・記事一覧を見る)