ES/iPS細胞の大規模生産を可能にする三次元培養法が開発
2014年4月25日 21:24
jonykatz 曰く、 京都大学・中辻憲夫教授の研究グループが、ヒト多能性幹細胞(ES/iPS細胞)を三次元的に大量生産できる手法を開発したと発表した (Technityの記事、プレスリリース)。
幹細胞の医療応用には大量の細胞を必要とするが、従来の接着培養法は大量生産には不向きであり、最近注目の浮遊培養法では細胞スフェアが底に沈んだり、互いに凝集して大きな塊を作ってしまう、撹拌により細胞が物理的にダメージを受ける、という問題があった。今回、メチルセルロースを添加物することで細胞の沈殿を防止し、またジェランガムというゲル状ポリマーを加える事で細胞スフェア同士の凝集も防止するという。それに加え、細胞解離においては酵素処理ではなくメッシュフィルターを用いた機械的処理による細胞株の継代法を確立し、それらによって安定した大量生産を可能としている。この方法で200mL容量のガス透過性培養バッグを用いた培養において、108個の細胞数を獲得できたという。
蛇足ではあるが、この手法はまずES細胞を用いてプロセスの確立がなされ、その後にiPS細胞でも確認されたとのこと。しかし当の中辻教授はES要らないiPS写真よこせ!というメディアの要求にお怒りのようだ。これもSTAP問題の余波であろうか。
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