【鈴木雅光の投信Now】ヘルスケア特化型REITの可能性は?

2014年4月22日 15:09

  徐々にではあるが、ヘルスケア特化型REITへの関心度が高まってきている。

  ヘルスケア特化型REITとは、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、あるいはメディカルビルなどを組み入れて運用するJ-REITのことだ。現在、すでに組入不動産の一部に、この手のヘルスケア関連施設が入っているJ-REITも、いくつか存在している。

  たとえば、有料老人ホームはアドバンス・レジデンス投資法人、大和ハウス・レジデンシャル投資法人、インヴィンシブル投資法人、ヒューリックリート投資法人、スターツプロシード投資法人、オリックス不動産投資法人の6銘柄、メディカルビルは日本ビルファンド投資法人が組み入れており、さらにアドバンス・レジデンス投資法人は、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)にも投資している。

  ただ、これらを全て合計しても、投資比率は1%程度。まだ本格的にヘルスケア関連施設を組み入れて運用しているJ-REITは存在していない。これから登場するヘルスケア特化型REITは、「特化型」という名称が付いていることから察しがつくと思うが、要はヘルスケア関連施設のみに投資するJ-REITのことだ。

  現状、このタイプのJ-REITはまだ上場されていないので、どの程度の配当利回りになるのか、株価のボラティリティはどの程度なのか、あるいはファンドの運営上のリスクにはどういうものがあるのか、といった点がまだ見えて来ない。

  ただ、複数の取材を繰り返しているうちに、少しずつ見えてきた部分もある。

  たとえば配当利回りの安定性。オフィスビル特化型は、テナントの出入りが激しい。不動産賃貸契約が2年程度なので仕方がない面もあるが、それだけ収益は不安定になる。この点、ヘルスケア特化型REITに組み入れられるヘルスケア関連施設は、あくまでも個人の住まいなので、景気の良し悪しが入退居に影響を及ぼすことはない。それだけ安定したキャッシュフローが期待できる。

  施設を運営する「オペレーター」の財務リスクには注意が必要だが、総じて安定性の高い投資対象になりそうだ。(証券会社、公社債新聞社、金融データシステム勤務を経て2004年にJOYntを設立、代表取締役に就任、著書多数)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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