エフゲニー・キーシン来日「ロシア音楽への理解を深めるための一翼を担えるのは幸せ」
2014年4月18日 20:40
モスクワ出身ピアニスト、エフゲニー・キーシンが、4月18日に記者懇親会を開催し、今回のプログラムや今後の予定について語った。
2014年の来日公演では5都市6公演が予定されており、シューベルトとスクリャービンが取り上げられる。今回、後半に選んだスクリャービンは、キーシンと同じロシア出身の作曲家だ。世界各地で演奏活動を行うキーシンにとって、ロシアの音楽を紹介できることは嬉しいという。「自分にとって長年親しみ、自分の心の中に生きていると言っても過言ではないスクリャービンだが、お客様の中には初めて聴くという人も多くいる。また、10年ほど前にメトレルの作品を取り上げたが、作曲家の名前すら知らないという人もいた。だが自分の演奏を聴いて、とても感動したという声を耳にすると、自分の演奏を通じて世界にロシア芸術への理解を深めてもらうきっかけを作れるのは喜びだし、音楽に貢献できていると感じる瞬間だと思う。」と語った。
現在は、パリを中心にニューヨークとロンドンにも住居を構えるという多忙な生活を送っているキーシン。「人生の半分以上は、ロシア以外の国に住んでいるが、モスクワに戻るとやはり自分の土地だと感じる。」という。また、ピアニスト以外に指揮者には興味はないのか?という記者からの質問に対しては「ピアノ曲というのは、無限に近いくらいの作品があるので、生きているうちに数多く弾きたいと思っている。自分が200歳くらいまで生きられるんだったら、指揮者もやってみたいけどね。」とユーモアを交えながら答えた。
カーネギー・ホールの100周年シーズン開幕時のデビュー・コンサートで大成功をおさめたキーシンだが、2015年にはカーネギー・ホール125周年記念コンサートへの出演も予定されており、その勢いはとどまるところを知らない。
◎【エフゲニー・キーシン ピアノ・リサイタル2014年日本公演】 4月13日(日) 大阪/ザ・シンフォニーホール ※終了 4月17日(木) 横浜/横浜みなとみらいホール ※ 4月22日(火) 武蔵野/武蔵野市民文化会館 大ホール 4月26日(土) 福岡/福岡シンフォニーホール 5月1日(木) 東京/サントリーホール 5月4日(日) 東京/サントリーホール
出演:エフゲニー・キーシン (ピアノ)
プログラム: シューベルト:ピアノ・ソナタ 第17番 ニ長調 Op.53 D.850
スクリャービン:ピアノ・ソナタ 第2番「幻想ソナタ」嬰ト短調 Op.19 スクリャービン:「12の練習曲」 Op.8より 第2番 嬰ヘ短調 第4番 ロ長調 第5番 ホ長調 第8番 変イ長調 第9番 嬰ト短調 第11番 変ロ短調 第12番 嬰ニ短調「悲愴」