【木村隆のマーケット&銘柄観察】セブン&アイ・ホールディングスはセブン・イレブンが成長を牽引

2014年4月18日 12:25

 セブン&アイ・ホールディングス<3382>(東1)は再評価の動きが訪れそう。4月3日に発表された決算は前2014年2月期が営業利益3396億円と、前年同期比14%の増益を達成し、今2015年2月期も営業利益3560億円と、前期比4%増の好調な見通しが明らかになった。

 市場全体に消費税増税による景気への懸念が強まる中での連続増益予想はもっと評価されてしかるべきと思われたが、決算発表後株価は下げに転じるなど、市場は事前の期待値に届かないとして、むしろマイナスの評価に傾いている。しかし、4月1日からの消費税増税実施直後の決算発表という状況を捉えると、会社側の見通しはあくまでも最低ラインの提示で、株価的には今後どれほど増益幅が積み上がっていくかに関心が強まりそう。

 収益好調の成長ドライバーはコンビニのセブン・イレブン。これまで進めてきた「近くて便利」の追求により、客層が若者のほか女性、中高年へ広がっている。そこに「金の食パン」のヒットなど、PB「セブンゴールド」の品ぞろえを強化、大型出店増も加わり、コンビニ業界では圧倒的トップの座を確立してきている。

 セブン&アイ・ホールディングスはリアル(実店舗)とネットなど、あらゆるチャネルの垣根を無くす、オムニチャネルへの取組を次の成長ドライバーとしてグループで強化している。そごう・西武のデパート、ヨーカ堂のスーパーなど、グループ企業のどこでも同じ価格で購入できることになるが、その取扱い商品は、全てセブン・イレブンで受け取れることになる。来店客の増加は新たな売上げ増につながることが予想される。(木村隆:日本証券新聞取締役編集局長を経て株式評論家)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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