【中国の視点】ウクライナ:内戦の一歩手前か、欧米露の押し付けに困る中国は中立継続

2014年4月16日 08:29


*08:29JST 【中国の視点】ウクライナ:内戦の一歩手前か、欧米露の押し付けに困る中国は中立継続
シュタインマイヤー独外相に続き、セルゲイ・ラブロフ露外相も15日から訪中の旅に出た。両外相が北京に到着した時間差はわずか数時間で、表向きにはシリアや北朝鮮などの諸問題について中国と共同で検討するためだと説明されている。

一方、欧米や中国のメディアは、両外相の訪中について、17日に開催される欧州連合(EU)や米国、ロシア、ウクライナの4者会談で自身の見方を引っ張るためだとみている。

中国メディアは、ウクライナ東部のドネツクやハリコフ、ルハーシンクの3都市で少なくとも10カ所の政府庁舎が親露派デモ隊に占領されていると指摘。デモ隊はウクライナ暫定政権からの警告を無視し、政府庁舎を占領し続けている。ウクライナのヤヌコビッチ前大統領は、ウクライナが内戦の一歩手前まで来ているとの懸念を示した。

ウクライナ東部の情勢に詳しい中国の専門家は、ドネツクやハリコフ、ルハーシンクの3都市の域内総生産(GDP)がウクライナ全体の3分の1から5割を占めていると指摘。また、これら3都市の人口は全国の5割を占めており、3都市がウクライナから独立すれば、ウクライナが崩壊したことも同然だと指摘した。

また、親露デモ隊は、ロシアへの編入について、クリミアができたため、私たちもできると強気を示している。

一方、ウクライナや欧米、ロシアとも深い貿易関係を持っている中国にとってこれ以上の対立を望まない。中国政府は、どちらにも片寄らない回答を両外相に返すと予測されている。《ZN》

関連記事

最新記事