元気な新興国市場、期待相場の裏にバブル崩壊の危険性

2014年4月11日 09:45


*09:45JST 元気な新興国市場、期待相場の裏にバブル崩壊の危険性
日本株は今年に入ってさえない動きを続けていますが、半面で元気を取り戻しているのが新興国市場です。

インドの株価指標SENSEX指数は年初からきのう10日まで7.3%上昇し、連日で過去最高値を更新。インドネシアではジャカルタ総合指数が選挙前の8日までで15.1%上昇しました。

このほか、ベトナムVN指数は年初から19.2%上昇、政治不安が長期化しているタイでさえ、SET指数が7.0%高となっています。

新興国でも中国本土や香港はやや出遅れ気味。やはり中国の成長鈍化懸念や「影の銀行(シャドーバンキング)」など金融不安が響いているもようです。

さて、インドとインドネシアについては、総選挙や大統領選挙を控えて期待が高まる「政治相場」が指数を押し上げた面が強く、裏を返せば期待に沿わない結果となればバブルが弾けやすい危険性もはらんでいます。

きのう10日のジャカルタ総合指数は一時3.69%急落し、期待相場が弾ける怖さを見せ付けられました。

9日投開票となったインドネシアの総選挙では最大野党・闘争民主党が第1党となりましたが、大統領候補を擁立できる25%の得票率には届かなかったという暫定結果が明らかになりました。

7月に実施される大統領選までに闘争民主党が候補を出すには連立を組む必要が出てきます。インドネシアでは連立工作など流動的な政局が長引けばそれだけ投資活動に遅れが出るという現象が選挙のたびに発生します。

インド市場では最大野党・インド人民党(BJP)のナレンドラ・モディ氏が次期首相になるとの強い期待が相場全体を押し上げています。モディ氏はグジャラート州の高度成長実現という実績を持ち、同氏が中央政府の首相になれば投資サイクルが改善するとの見方が優勢。

ただ、インド政治で大事なのはあくまで「安定政権」が樹立されること。安定性のない連立政権であれば、インドネシア市場の二の舞になる可能性も秘めています。

(フィスコ・リサーチ・レポーター)《RS》

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