トヨタ、ヴィッツ、マークXなど13車種108万台のリコールを届け出

2014年4月10日 17:01

 10日、トヨタはステアリングの電気配線の不具合で3車種、運転席のスライド機構不具合などで4車種、スタータ駆動用のリレーの不具合で6車種(1車種が運転席スライド機構の不具合などのリコールと重複)のリコールを国土交通省に届け出たと公表した。

 1件目はステアリングに取付けられている電気配線(スパイラルケーブル)において、当該配線のガイドの形状および位置が不適切であることに起因している。

 当該配線のうちエアバッグ用配線の部分とガイド端部が点接触しているものがあり、そのままの状態で使用を続けるとエアバッグ用配線が摩耗し、最悪の場合は当該配線が断線することでエアバッグ警告灯が点灯し、衝突時に運転者席用エアバッグが動作しなくなるおそれがあるというもの。80件の不具合が確認されている。

 対象車種はRAV4、ヴァンガード、マークXで、2004年11月から2010年3月までに製造された14万6,678台が対象だ。

 2件目は3点の不具合だ。まず、運転者席を前後調整するスライド機構において、固定用スプリングの強度が不足しているため、頻繁に前後調整を行うと、当該スプリングが折損する可能性があるということだ。そのために座席が固定されず、最悪の場合は走行中に座席が動き出すおそれがある。333件の不具合が確認されている。

 また、窓ふき器(ワイパー)モーター取り付け部の排水口形状が不適切なため、落ち葉等異物を取り除かずに使用すると排水口が詰まることがある。そのまま使用を続けると溢れた水がモーター内部や制動灯等の電気配線に浸入し、最悪の場合はワイパーや制動灯等が作動しなくなる可能性があるわけだ。409件の不具合が確認されている。

 さらに、ステアリングコラムを車室内(インストルメントパネル下)に取付ける固定用ブラケットの強度が不足しているため、ハンドルを端まで強く一杯に切る操作を繰り返すと亀裂が生じることがある。そのまま使用を続けた場合、亀裂が進行してステアリングコラムを固定できなくなることがあるというもの。147件の不具合が確認されている。

 これらの対象車種はヴィッツ、ラクティス、ベルタ、イストで、2005年1月から2010年8月までに製造された91万9,684台が対象だ。

 3件目は始動装置のスタータにおいて、スタータ駆動用リレーの通電設定が不適切なため、接点部に銀成分が凝集するというもの。そのままの状態で使用を続けると、接点部から銀成分がはがれ落ちて回路内に挟まることで、当該リレーが通電状態となってスタータが回転し続け、最悪の場合は火災に至る場合がある。11件の不具合が確認されている。

 対象車種はポルテ、スペイド、カローラアクシオ、カローラフィールダー、オーリス、ラクティスで、2012年3月から2013年8月までに製造された1万9,151台が対象だ。

 いずれも市場からの情報によって発覚しており、スタータ駆動用のリレーの不具合では2件の火災が起きている。対策は当該部品の対策品・良品・新品などに交換することで対応する。

 問い合わせは最寄りの販売店もしくは0800-700-7700。(記事:松平智敬・記事一覧を見る

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