住友商事、農業用殺菌剤「メトミノストロビン」の事業権を買収 20年に数十億円の売上目指す
2014年4月10日 14:47
住友商事は10日、独化学大手バイエルグループのバイエルクロップサイエンス社が保有する農業用殺菌剤「メトミノストロビン」の日本を除く全世界の事業権を買収したと発表した。2020年には世界で数十億円規模の売上を目指すという。
同社によると、メトミノストロビンは、特に大豆の大敵であるさび病などに対して優れた予防・治療効果を持つ。取扱量は年々増加傾向にあり、今後も需要の増加が期待される。
世界第三位の大豆生産国であるアルゼンチンを始めとする南米諸国(コロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア)や、穀物需要が大きく伸びているアジア各国(ベトナム、フィリピン、マレーシア、インドネシア)、イスラエルで農薬登録されており、世界第二位の大豆生産国であるブラジルでも、住友商事が出資参画するイハラブラス社を通じて農薬登録申請中。
また、新規化合物との混合剤の開発にも積極的に取り組み、用途拡大も図るという。
住友商事が今回取得したのは、メトミノストロビンの安全性評価資料と全世界での製造権、開発・販売権で、日本国内での販売権と安全性評価資料は、引続きバイエル クロップサイエンス社が保有する。
住友商事グループの農薬事業は、1970年代に日系メーカーの農薬輸出から本格的に始まり、現在は欧米を中心に世界約30カ国以上で輸入や販売業を展開している。また、川下分野へのバリューチェーンの深化を戦略として掲げ、農業資材問屋の買収などを通じて事業範囲を拡大させてきた。同社は、今後も取扱剤の拡充や拠点の開設など多面的な取り組みを通じて一層の収益基盤強化を目指すとしている。