【アナリスト水田雅展の銘柄分析】アドアーズは反発の動き、収益改善基調を評価

2014年4月7日 09:11

  アミューズメント事業や不動産事業のアドアーズ <4712> (JQS)の株価は全般地合い悪化の影響を受けて水準を切り下げた。しかし足元では反発の動きを強めている。調整が一巡したようだ。収益改善基調を評価して出直り展開だろう。

  13年2月に、親会社Jトラスト <8508> グループで戸建て住宅分譲や商業建築を展開するキーノート、アミューズメント施設向け景品製作・販売などを展開するブレイクを子会社化し、Jトラストグループ内で建築・不動産事業とアミューズメント事業の中核を担う位置付けとなった。Jトラストとの連携を強化して成長を目指す戦略だ。アミューズメント事業ではメダルゲームを注力分野として収益力を強化し、不動産関連では新設のアセット事業も拡大する方針だ。

  前期(14年3月期)の連結業績見通しは売上高が前々期比15.0%増の230億円、営業利益が同2.6倍の11億円、経常利益が同2.7倍の10億円、純利益が同3.6倍の6億円としている。大幅増収増益見込みだ。事業構造改革の効果も寄与してアミューズメント事業の営業損益が大幅に改善し、キーノートとブレイクの連結も寄与する。さらに純利益についてはカプセル自販機運営受託解消に伴う特別利益計上も寄与する。

  アミューズメント施設は第4四半期(1月~3月)が比較的閑散期となり、戸建住宅販売は職人不足で完工時期が遅れ傾向として、通期の見通しを据え置いている。ただし第3四半期累計(4月~12月)の収益が大幅に改善し、通期見通しに対する進捗率は売上高が77.1%、営業利益が110.5%、経常利益が110.2%、純利益が176.3%となり、利益は通期見通しを超過達成している。通期増額の可能性が高いだろう。

  アミューズメント施設の既存店売上高(前年比、速報値)を見ると、14年2月は2週連続で土日に関東圏を襲った大雪の影響で92.8%だった。しかし天候不順による一時的要因のため、既存店売上の改善基調に変化はないだろう。今期(15年3月期)は一段の収益改善が期待される。

  株価の動きを見ると、2月4日の安値131円から2月27日の184円まで一旦は急反発したが、全般地合い悪化の影響などで再び水準を切り下げる展開となり、3月27日の132円まで調整した。ただし2月安値を割り込まずに反発の動きを強めて、4月4日には終値で前日比13円(8.78%)高の161円まで急伸している。調整が一巡したようだ。

  4月4日の終値161円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS4円30銭で算出)は37倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間2円で算出)は1.2%近辺、実績PBR(前々期実績の連結BPS72円98銭)は2.2倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、日足チャートで見ると4月4日の急伸で25日移動平均線を突破した。強基調に転換して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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