飲料業界に追い風か 2014年、西日本・沖縄で猛暑の予測
2014年4月5日 19:22
気象庁が2月に発表した2014年6月~8月の暖候期予報によると、今年の夏の気温は、北日本では平年並か低い見込みとなっている一方で、東日本はほぼ平年並、西日本や沖縄・奄美地方では平年並か高くなるとの見通しになっている。また、降水量の予測も北日本では平年並か多め、西日本では平年並か少なめ、東日本や沖縄・奄美地方ではほぼ平年並となっており、梅雨の降水量は全国的に平年並と予測されている。北日本では比較的すごし易い夏になりそうだが、西日本では猛暑を覚悟した方がよさそうだ。
一般的に夏は涼しく、すごし易いにこしたことはないが、業界によっては猛暑を歓迎する業種も多い。とくに今年は消費増税の影響で家電品需要の冷え込みが懸念されているが、猛暑となれば話は別だ。否が応でも、エアコンの販売に期待がかかる。2014年モデルのエアコンは、身体の表面温度を感知してピンスポットで風を届ける三菱電機<6503>「霧ヶ峰」や、2つのカメラでムダを見つけて節電に貢献する日立<6501>「白くまくん」など、センサー機能を充実させたものが目立つ。
家電だけでなく、猛暑が消費増税の影響を吹き飛ばす追い風となりそうな業界が、飲料業界だ。昨年、プレミアムビールが好調だったアルコール飲料の流れは、今年も継続しそうな雰囲気だ。例えば、サッポロビール<2501>では、同社の看板商品であるヱビスビールよりもさらに麦芽とホップを贅沢に使用し、手間ひまをかけて長期熟成させた「ヱビス 夏のコク」を5月上旬から中元ギフト限定での発売を予定している。
また、ビール以外のアルコール飲料でも、2014年の新発売のラインナップが続々と登場し始めている。キリンビール<2503>では、人気の「氷結」シリーズの2014年夏季限定商品として、甘酸っぱいキウイフルーツのストレート果汁を使用した「キリン 氷結 ストレートキウイ<夏限定>」を6月下旬より全国発売する。
さらに清涼飲料でも、すでに今年の夏に向けた商戦はすでに始まっている。中でも注目したいのが、2012年にドライフルーツゼリーでトップシェアを誇る株式会社たらみを子会社化したダイドードリンコ<2590>のラインナップだ。
同社は、2013年から、たらみと共同開発でゼリー飲料を展開しているが、高評価を受けて、2014年春夏も2つの新商品を市場に投入する。一つは、みずみずしい桃の果汁感が楽しめるゼリー飲料「たらみ ふって飲む桃のジュレ」、そして、もう一つは、冷やしてぷるぷる食感のゼリー、凍らせるとシャリシャリシャーベットという2つの食感が楽しめる、たらみとダイドーの共同開発ならではの果汁入りゼリー飲料「たらみ ぷるシャリみかん」だ。とくに「たらみ ぷるシャリみかん」は、全国清涼飲料工業会が発表している「熱中症対策」表示ガイドラインの適用濃度にあたる74mg/100mlのナトリウムを含んでおり、熱中症対策としても利用できる商品となっているという。また、「たらみ ふって飲む桃のジュレ」の方も、女性に嬉しいコラーゲン配合とあって、女性を中心に人気が集まりそうだ。
猛暑は勘弁だが、だからこそ楽しめるものもある。各社の新商品を飲み比べたりして、暑い夏を楽しく乗りきりたいものだ。(編集担当:藤原伊織)