スタート1か月で口座開設は約6割 高齢世帯ほど利用意欲高い NISA認知度で調査

2014年3月31日 16:04

 個人投資家のNISAへの認知度、理解度は高く、スタート1か月で口座を開設した人は6割に上った。全体では現役世代よりも、年齢が高い世代ほどNISAの利用意向が強く、また女性より男性の関心が高かった。IRコミュニケーション支援の株式会社a2mediaが調査した。

 調査は同社のe-株主リサーチモニター会員1170人を対象に実施した。

 「NISAのことを知っているか」を尋ねたところ、制度の概略がある程度以上わかっているとする回答が約95%を占めた。「名前も制度もわかっており、自分にとってのメリット・デメリットも理解している」と回答した人も半分強に上り、個人投資家のNISAに対する認知度が高いと見て取れる。性別で見ると、男性の方が認知が進んでおり、年齢別では30代以下~50代までは変わらないが、60代で上昇し、70代以上ではかなりの高水準となっている。

 制度の特徴や利用する際の注意点について、10個の選択肢を設けて、知っているものにチェックをつけてもらったところ、「毎年100万円を上限とする新規購入分を対象に、その配当や譲渡益を最長5年間、非課税にする制度である」が93.9%、「開設できる口座は一人につき1口座のみである」が89.4%と高いチェック率を示した。他の選択肢については、おおむね6~7割のチェック率であったが、「金融機関によって購入できる商品は異なる」「NISA口座を一度開設すると、最長4年間、別の金融機関に変更・開設はできない」のチェック率は50%台とやや低めとなっており、個別知識については浸透にばらつきが見られる。

 アンケートを実施した1月末から2月上旬の段階で、「NISA口座を開設」した人は60.0%、「近々に開設する予定」の人は9.7%、「利用する方向で検討中」の人は6.8%で、あわせると76.6%の人がNISAを利用もしくは利用する方向だった。他方で「利用しない」と答えた人は11.1%に留まった。年齢や性別では、男性の方が利用意向が高く、年齢が上がるほど利用意向が高まるなど、現役世代のNISAへの対応に遅れがみられた。

 NISA口座の開設した(するつもりの)金融機関について、証券会社と答えた人が81.5%であった。e-株主リサーチモニターは、実際に株式投資やJ-REIT投資を行っている個人投資家であるため、証券会社を選択した人が多かったと推測される。

 経済活性化や家計の資産形成支援を目的に導入されたNISA制度だが、個人投資家の間で認知度は上々のようだ。一方で「一度開設すると最長4年間変更できない」など、認知度が半数程度の項目もあり、さらなる啓蒙活動が必要ともいえるだろう。(編集担当:横井楓)

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