東電、震災後初めて特別負担金を支払う 271億円

2014年3月24日 08:28

 20日、原子力損害賠償機構は、2011年3月に発生した東京電力福島第1原発事故の賠償に充てるため、各電力会社から徴収を行う「一般負担金」を13年度は前年度の約6割にあたる1630億円に決定したと発表。また原発事故を起こした事業者が払う「特別負担金」に関しても、これまで原子力損害賠償機構は東京電力<9501>に対して免除を行ってきていたが、今回初めて徴収することを決めた。徴収される「特別負担金」の額は271億円。

 東京電力が原発事故を起こした事業者が払う「特別負担金」を初めて支払うこととなった。13年度は国の出資する原子力損害賠償支援機構に対して、271億円を支払う。原子力損害賠償機構はその「特別負担金」を、福島第1原発事故を受けて東京電力側に渡していた資金回収に充てる予定。また東京電力を含む電力会社11社、東北電力<9506>、中部電力<9502>、関西電力<9503>、九州電力<9508>、そして日本原子力発電などが13年度の「一般負担金」合計1630億円を原子力損害賠償機構に対して支払う。

 福島原発事故でもって被災した人々のために支払われる賠償金を肩代わりするために、政府は原子力損害賠償機構を通じて東京電力に約3.6兆円を渡した。そして東京電力やその他の電力会社は、負担金を原子力損害賠償機構に支払うことにより、30年ないしは40年程度でその政府から受け取った金額を返済する予定だ。

 東京電力を含む11の電力会社が支払う「一般負担金」は、12年度よりも6割増の1630億円。この「一般負担金」は大規模な原発事故に備えた保険料のようなもので、それぞれの電力会社が原発の出力規模に応じて原子力損害賠償機構に対して支払う。そして原子力損害賠償機構は徴収した負担金から運営経費を差し引き、国庫に納付する。

 そして「特別負担金」は、事故を発生させた東京電力だけが支払う。11年度、そして12年度に関しては財政の悪化により支払うことが出来なかったが、今回13年度は3年ぶりの黒字転換が予想されるため、271億円を支払うこととなった。

 原子力損害賠償機構は同日に政府に認定を申請。政府は月内にも認定を行う。各電力会社の赤字幅が縮小傾向にあり、また経営改善が伺えることから、今回徴収額の上積みを決定した模様。(編集担当:滝川幸平)

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