(ロシア)経済関係深いドイツ、ロシアからの輸入の84.3%が燃料

2014年3月19日 09:47


*09:47JST (ロシア)経済関係深いドイツ、ロシアからの輸入の84.3%が燃料
ロシアのプーチン大統領は18日の演説で、ウクライナ南部クリミア半島をロシアに編入する条約の批准を自国議会に要請した。一方、大統領は隣国ウクライナのさらなる分割を目指していないと明言し、ウクライナ東部への侵入を警戒する市場の安心感を誘った。

対する米欧はプーチン大統領によるクリミア支配に断固反対の立場を堅持し、来週にも主要7カ国(G7)会合が持たれて対応策が協議される見込みだ。

これまで米欧が打ち出してきた制裁措置はビザ(査証)の発給停止や一部要人の資産凍結など。制裁の対象になった要人は米欧を旅行できなくなったが、すでに資産の移し変えを済ませている要人も多く、米欧の制裁は“単なるシンボル”との受け止め方も多い。

G7会合では、ロシア制裁に向けて参加国の足並みがそろうかが注目点になる。ロシア経済との関わりが深いドイツでは産業界から厳しい制裁に難色が示されるなど、特に欧州連合(EU)では「コストなしにロシア制裁を強化するのは難しい」との見方が一般的だ。

ドイツにとってロシアは世界11番目の貿易相手国で、2013年の取引額は770億ユーロ(約10兆8800億円)。貿易額では首位フランスの1650億ユーロの半分にも満たない。

ただ、ロシアからドイツへの輸出額404億ユーロのうち、天然ガスが27.9%、原油が56.4%、合わせて84.3%が燃料を占める点は注目に値し、米欧諸国がロシア産燃料に抵触する制裁に二の足を踏んでいる背景になっている。

ドイツ誌シュピーゲルによると、ドイツ国内の原油供給量のうち36%がロシア産、天然ガスではこれが35%に上る。

このほか、ロシアとビジネスを展開するドイツ企業は6000社に上り、機械・エンジニアでは2013年の売上高のうち93億ユーロをロシアとの貿易で稼いだ。また、化学産業ではこの数字が45億ユーロ、ロシア市場でのドイツ車販売台数は13万2400台に達する。《RS》

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