ソフトバンク、ニコン、イオンなど/本日の注目個別銘柄
2014年3月17日 16:24
<9984> ソフトバンク 8110 +381買い気配スタート。中国アリババが米国でのIPO手続きを開始したと報じられている。米国での上場の方向性は織り込まれつつあったが、ここまで紆余曲折もあったことで、スケジュールが定まりつつあることが確認されたことは、ストレートに買い材料視される格好へ。本体で出資している13%分の株式の含み益は3兆円を超えるともされており、今後の成長に向けた財源になるとの見方も伝わっている。
<7731> ニコン 1730 -29売り優勢。中国当局が同社の一眼レフカメラ「D600」の販売停止を命じたと報じられている。中国国営テレビが特番で、「D600」の品質問題を指摘しており、それに伴うものと捉えられる。ブランドイメージの悪化に伴い、短期的に中国における同社製品の販売減少などにつながるとの見方が先行。なお、「D600」に関しては、米国でも消費者が集団訴訟を起こしているもよう。
<8267> イオン 1122 -50売り先行。先週末に業績予想の下方修正、並びに、新たな中期計画を発表、前期業績の下方修正を嫌気材料視する動きが先行へ。営業利益は、従来の2000-2100億円のレンジから、1700億円、前期比10.8%減益の水準まで下方修正。市場予想は1900億円強であったため、予想以上の下方修正となる格好に。ダイエー<8263>の不振に加えて、総合スーパーや食品スーパー事業が低迷した。中期計画では、17.2期営業利益2800億円を目指すとの意欲的な目標だが、前回の中期計画は前2月期2700億円目標であったため、ストレートに評価する動きは限定的。
<1802> 大林組 605 -6UBSでは投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に格上げ、目標株価も600円から720円に引き上げている。今後も高水準の受注が続くと見られる中、ゼネコンの価格交渉力は高まりつつあり、来期以降利益率は徐々に改善していくと想定している。先週は、シティやクレディ・スイス(CS)でも投資判断格上げの動きが観測されるなど、足元で投資判断格上げの動きが目立つ状況に。
<6644> 大崎電気工業 634 +25上げ目立つ。スマートメーター関連銘柄の一角として買われている。電力各社では2024年度までにスマートメーターを全世帯に配布する方針を固めたと伝わっている。従来よりも1-3年前倒しする格好となるもよう。スマートメーターの量産に伴う業績成長期待などが再燃、業績拡大ピッチも早まるとの期待につながる。
<6340> 渋谷工業 2644 +86反発。一部で最高益更新企業として特集記事が掲載されている。無菌重点装置での高いシェア、原価低減の強みなどが評価対象となっているほか、再生医療関連の売上高を今期の5億円から5年後には100億円に増やすといった社長コメントも伝わるなど、バイオ関連としての位置づけを一段と高める状況にも。
<5423> 東京製鐵 509 +18買い優勢。4月の鋼材価格を発表している。4月のH形鋼価格は1トン=8万円としており、前月比横ばいの格好になっている。鉄スクラップ価格の下落に伴って、値下げが想定されていた中、ポジティブな反応となっている。今後のマージン改善などが期待される状況にも。なお、他の電炉株には目立った波及効果が見られていない。
<6624> 田淵電機 650 +63急伸。先週末に通期業績予想の上方修正、並びに、配当予想の上方修正を発表している。通期営業利益は40億円から50億円に上方修正、前期比では4.1倍の水準となる。また、期末配当金は5円から7円に引き上げへ。太陽光発電用パワーコンディショナなどが期末にかけて堅調に推移、業績拡大ピッチが早まる状況ともなっている。
<8093> 極東貿易 219 +11後場に入って業績予想の上方修正、並びに復配を発表、その後は一時急伸する展開となっている。通期営業利益は5億円から6億円に上方修正、期末配当金は2円として3期ぶりの復配となる。資源開発機器事業が好調であったほか、中国事業も円安などを背景に高水準の状態を維持したようだ。
<2809> キユーピー 1468 +35しっかり。SMBC日興証券では投資判断を「2」から「1」に格上げ、目標株価も1680円から1880円に引き上げている。第1四半期で減益局面を脱し、第2四半期以降の営業利益は増益転換する可能性が高まったと判断、業績予想を上方修正しているもよう。なお、第1四半期も、国内のカット野菜などが好調で5%程度の減益にとどまるとみている。
<3662> エイチーム 5720 +10切り返して反発。先週末に上半期の決算を発表、通期営業利益は24億円から15億円に下方修正している。大幅下方修正の格好だが、業績下振れは想定線であったため、短期的な悪材料出尽くし感につながる状況へ。また、市場の関心は短期的な業績動向よりも、「NHN Entertainment」との合弁事業の展開などにシフトしており、今後の期待感があらためて高まる状況ともなっているもよう。《FA》