【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ゲームカード・ジョイコHDは高配当利回りや低PBRを評価
2014年3月17日 09:10
遊戯機器関連のゲームカード・ジョイコホールディンス <6249> (JQS)の株価はボックス展開だが、徐々に水準切り上げの動きを強めている。全般地合い悪化の影響は限定的のようだ。3%台後半の高配当利回り、3月期末の株主優待制度、0.5倍近辺の低PBRを評価してボックス上放れの展開だろう。
パチンコ用プリペイドカードシステム首位の日本ゲームカードと、業界初のコイン型ICカードを採用したジョイコシステムズが11年に統合した持株会社である。パチンコ用カードユニットやパチスロ向けメダル貸機などの機器売上、カード収入、システム使用料収入が収益柱であり、無借金経営であることや自己資本比率の高さ(13年3月期63.8%)など健全な財務基盤も特徴だ。
プリペイドカードシステムの業界最大手(加盟店舗シェア5割強)で、カードユニットやメダル貸機は各台計数システム対応の普及が本格化している。中期成長に向けては、パチンコ・パチスロ関連業界全体での市場活性化への取り組み強化、主力商品である各台計数システム対応カードユニット&メダル貸機「B∞LEX」シリーズの機能拡張、プラズマクラスターイオンユニットの機能拡張、事業領域拡大を視野に入れた革新的新商品・新サービスの開発などを掲げている。
今期(14年3月期)連結業績見通しは前回予想(5月10日公表)を据え置いて、売上高が前期比17.6%減の326億円、営業利益が同83.9%減の4億30百万円、経常利益が同85.1%減の4億円、そして純利益が同89.4%減の1億70百万円としている。パチンコホールの設備投資マインド低下、パチスロ向けメダル貸機の入れ替え需要一巡などで機器販売台数が大幅に減少する。
第3四半期累計(4月~12月)で利益は通期見通しを超過達成しているが、期初計画どおり既存商品の機能拡張や次世代の新製品・新サービス開発で研究開発費が増加し、第4四半期(1月~3月)に検収が集中発生する見込みだ。来期(15年3月期)については機器販売台数が持ち直し、研究開発費もピークアウトするもようであり、収益改善が期待される。
なお株主優待制度については、毎年3月31日現在の株主名簿に記載された1単元(100株)以上保有株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じてカタログギフト(100株以上500株未満で1年未満は2000円相当、500株以上で3年以上は5000円相当など)を贈呈している。
株価の動きを見ると、昨年秋以降は概ね1500円~1600円近辺の小幅レンジでのボックス展開が続いている。足元の全般地合い悪化の影響は限定的であり、戻り高値圏で比較的堅調に推移している。そして煮詰まり感を強めながら徐々に下値を切り上げている。
3月14日の終値1561円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS11円92銭で算出)は131倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間60円で算出)は3.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS2930円54銭で算出)は0.5倍近辺である。株主優待制度を考慮した総合利回りは概ね5%台となる。週足チャートで見ると一旦割り込んだ26週移動平均線を回復してレンジ上限を目指す動きだ。高配当利回りや低PBRを評価してボックス上放れの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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