【木村隆のマーケット&銘柄観察】水準観を無視した怒濤の売り仕掛けも、行き過ぎ感が強まる局面

2014年3月15日 15:05

【木村隆の相場展望】(3月17~20日)

  3月第2週(10~14日)の相場は、短期筋の怒濤の売り仕掛けに、急落した。10~14日の週間の下げ幅は946円にも達し、東日本大震災直後の2011年3月14~18日の1047円安に次ぐ大きさ。

  中国で経済指標の下振れや、理財商品のデフォルト(債務不履行)懸念が台頭し、クリミア半島でのロシアの行動への不安感が材料とされる。だが、NY市場の下げは東京市場に比べ、圧倒的に小さい。取って付けたように消費税増税の悪影響も指摘されているが、これは年初来の低迷で織り込んできている。

  要は株式市場を取り巻く環境に不透明感が強まってきたことが背景である。例えば、円が安くなれば日本経済が良くなると信じられてきたが、円安にも関わらず輸出数量が伸びない。これでは円安=株高の構図が崩れてしまう。だから投資家が見送り機運を強めているのだが、その間隙を縫って海外の短期ファンド筋がこれでもかというほど、売りまくっている。裁定買い残は3月7日現在で20億9700万株と、前の週に比べ1億300万株増加、裁定買いへの期待が強まり、第2週に入っても、裁定残の増加が続いた。しかし、一転、12日から再び裁定解消の動きが強まり、相場も波乱に逆戻り。

  売り仕掛けの筋にとっては、日経平均の水準は問題ではない。目先、売りを仕掛けて儲かるかどうかだけが重要なのだ。買い方の参加がなければ、3月第3週もそうした地合いが続かざるを得ない。しかし、それでも14日現在の日経平均のPER14.1倍は絶対的な割安水準である。第3週は基本的には下げ過ぎの訂正高場面が見られそう。(木村隆:日本証券新聞取締役編集局長を経て株式評論家)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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