欧米為替見通し:クリミア・ショックによる『ブラック・マンデー』に要警戒

2014年3月14日 17:19


*17:19JST 欧米為替見通し:クリミア・ショックによる『ブラック・マンデー』に要警戒

本日14日の欧米市場のドル・円は、中国経済の景況感悪化懸念、ウクライナ情勢の緊迫化懸念などを受けたリスク回避の円買いで弱含みに推移すると予想される。

ドル・円のテクニカル分析では、今年の高値105円45銭と安値100円76銭の半値である103円10銭が、一目均衡表の雲の上限(先行スパン2)となり、リスクの攻防の分岐点となっている。ドル・円が103円10銭の下で推移する限り、リスクは円高方向となる。

16日に予定されているクリミア自治共和国でのウクライナからの独立を問う住民投票を巡り、ノーベル平和賞受賞者のオバマ米大統領(2009年受賞)と欧州連合(2012年受賞)と、2014年のノーベル平和賞候補に挙がっているプーチン・ロシア大統領との間で、ウクライナの平和が遠のく一触即発の状況となっている。

プーチン・ロシア大統領は、ロシア軍をウクライナ国境に集結させており、16日の住民投票後のウクライナ及び欧米の出方次第では、軍事介入の可能性を警告している。

ケリー米国務長官も、「欧米は17日に非常に深刻な措置をとる可能性」と警告しており、17日月曜日は、何回目かの「ブラック・マンデー」となる可能性に警戒することになる。

グリーンスパン第13代FRB議長は、就任直後に、株式市場の暴落「ブラック・マンデー」に遭遇し、バーナンキ第14代FRB議長も、住宅バブルの崩壊を受けた「リーマン・ショック」による株式市場の暴落に遭遇したものの、流動性供給により乗り切った。

イエレン第15代FRB議長も、現在、ウクライナ情勢の緊迫化により株式市場の暴落に遭遇しつつあることで、テーパリング(量的緩和縮小)の継続か中断か、という決断を迫られている。

【今日の欧米市場の予定】

18:30 英・1月商品貿易収支(予想:-86億ポンド、12月:-77.17億ポンド)
21:30 米・2月生産者物価指数(前年比予想:+1.2%、1月:+1.2%)
21:30 米・2月生産者物価コア指数(前年比予想:+1.4%、1月:+1.3%)
22:55 米・3月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(予想:82.0、2月:81.6)《KO》

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